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  COLUMN   NTDSUTIL.EXEの利用

 NTDSUTIL.EXEは,Active Directoryのディレクトリファイルが肥大したり損傷したりしたときに,オフライン最適化したり回復したりするときに利用される。NTDSUTIL.EXEはコマンドラインプログラムであるため,実行にあたっては[コマンドプロンプト]を利用するか,[スタート]メニューから[ファイルを指定して実行]を選択する。

 NTDSUTIL.EXEでActive Directoryのディレクトリファイルを操作するときには,ドメインコントローラであるコンピュータを起動させるときに[F8]キーを押して[Windows 2000拡張オプションメニュー]を表示し,[ディレクトリサービス復元モード]を選択する。

Fig.4 [ディレクトリサービス復旧モード]での起動
fig04.gif

 ログオン画面が表示されたら、復旧作業用の管理者パスワードでログオンする。復旧作業用の管理者パスワードとは,[Active Directoryインストールウィザード]の実行中に設定したパスワードである。

 復旧作業用の管理者としてログオンしたら,コマンドプロンプトからNTDSUTIL.EXEを実行する。すると,次のようなプロンプトが表示される。

 
   ntdsutil:

 このプロンプトにコマンドを入力すると,そのたびに表示されるプロンプトが変化し,それに伴って利用できるコマンドも変化する。どのようなコマンドを利用できるかを知りたいときには,それぞれのプロンプトで“?”と入力して[Enter]キーを押し,簡易ヘルプを表示させればよい。

Fig.5 NTDSUTIL.EXEの実行直後に簡易ヘルプを表示したところ(クリックすると拡大可能)
fig05.gif

 この画面を見てもわかるように,NTDSUTIL.EXEからは非常に多彩な操作を実行できる。ここではディレクトリファイルのオフライン最適化についてのみ説明するが,ほかの用途を詳しく知りたければ,Windows 2000 Serverのヘルプファイルを参照してほしい。

 ディレクトリファイルにかかわる処理を実行したい場合には,“Files”と入力して[Enter]キーを押す。すると,プロンプトが次のように変化する。

 
   file mentenance: 

 ここで“Compact to %s”というコマンドを実行すると,オフライン最適化が開始される。このコマンドを実行すると,既存の肥大したディレクトリファイルとは別に,最適化されたディレクトリファイルが生成される。“%s”には,最適化したディレクトリファイルを格納するフォルダを指定する。たとえば,次のように実行すればよい。

 
   file mentenance: Compact to c:\winnt\temp
Fig.6 ディレクトリファイルの最適化(IEではクリックすると拡大可能)
 
C:\WINNT\System32\ntdsutil.exe: Files

file maintenance: Compact to C:\winnt\temp
データベース [Current] を開いています。
一時的なパスを使用します: C:\
コマンドを実行しています: C:\WINNT\System32\esentutl.exe /d "C:\WINNT\NTDS\ntds.
dit" /8 /o /l"C:\WINNT\NTDS" /s"C:\WINNT\NTDS" /t"C:\winnt\temp\ntds.dit" /!1024
0 /p


Initiating DEFRAGMENTATION mode...
        Database: C:\WINNT\NTDS\ntds.dit
       Log files: C:\WINNT\NTDS
    System files: C:\WINNT\NTDS
  Temp. Database: C:\winnt\temp\ntds.dit

                Defragmentation Status  ( % complete )

          0    10   20   30   40   50   60   70   80   90  100
          |----|----|----|----|----|----|----|----|----|----|
          ...................................................

Note:
  It is recommended that you immediately perform a full backup
  of this database. If you restore a backup made before the
  defragmentation, the database will be rolled back to the state
  it was in at the time of that backup.

Operation completed successfully in 14.912 seconds.


作り出された処理終了コード 0x0(0)

圧縮に成功した場合は次のコマンドを実行してください:
   copy "C:\winnt\temp\ntds.dit" to "C:\WINNT\NTDS\ntds.dit"
  さらに、古いログ ファイルを削除します:
   del C:\WINNT\NTDS\*.log

file maintenance:quit

C:\WINNT\System32\ntdsutil.exe: quit

 オフライン最適化を終了させたあと,新たに作成されたディレクトリファイルをActive Directoryで使用するためには,COPYコマンドでディレクトリファイルが存在するフォルダ(デフォルトでは\winnt\ntdsフォルダ)にコピーする必要がある(「Active Directoryデータベースの実体とは」を参照)。

 もし,新たに作成されたディレクトリファイルを,そのフォルダのままActive Directoryで使用したければ,file mentenance:プロンプトからset pathコマンドを実行し,パスを変更することもできる。

 また,file mentenance:プロンプトからrecoverコマンドを実行すると,損傷したディレクトリファイルを回復させることができる。

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