この特集のトップページへ

Deployment of Windows 2000 member server 4...
オフラインファイル

 オフラインファイルは,クライアントがWindows 2000でありさえすれば,サーバーはWindows NTやWindows 95/98であってもかまわない(SMBによるファイル共有やプリンタ共有をサポートしていればよい)。ただし,サーバーがWindows 2000であれば,オフラインファイルの環境をサーバー側で管理できるので,やはりWindows 2000のファイルサーバーを利用することをお勧めしたい。

 Windows 2000をファイルサーバーとして使う場合には,フォルダの共有を設定するときに,[キャッシュ]ボタンでオフラインファイルの利用方法を設定することができる。

Fig.22 フォルダの共有に伴うオフラインファイルの設定(ドキュメントの手動キャッシュ)
fig22.gif

 デフォルトの共有フォルダは,オフラインでの利用が許可され,かつ[ドキュメントの手動キャッシュ]オプションが設定されている。そのため,クライアント側でユーザーが[オフラインで使用する]を選択したときにのみファイルがキャッシュされ,オフラインでの利用が可能になる。逆にいえば,ユーザーが明示的にオフラインでの利用を設定しない限り,オフラインファイルとして使用することはできない。

注意 Windows 2000以外のサーバーと接続した場合には,[ドキュメントの手動キャッシュ]オプションを設定した場合と同様に,ユーザーが選択したファイルのみをオフラインで利用できる。

 [ドキュメントの自動キャッシュ]オプションを選択すると,ユーザーがクライアントからアクセスしたファイルは,すべて自動的にキャッシュされるようになる。つまり,ユーザーが特にオフラインでの使用を意識しなくても,自動的にオフラインファイルとして利用できるのである。モバイルユーザーがホームフォルダとして利用するフォルダなどをこの設定でオフラインファイル化しておけば,ユーザーはどこにいても常に自分のホームフォルダにアクセス可能な環境を構築できる。

Fig.23 ドキュメントの自動キャッシュ
fig23.gif

 [プログラムの自動キャッシュ]オプションは,プログラムなどの実行ファイルをキャッシュするときに適した設定である。このオプションが設定されたフォルダ上に存在する実行ファイルにアクセスすると,自動的に関連するファイルがクライアント上にキャッシュされ,オフライン状態でも実行できるようになる。ただし,下記のように,現実の運用を考えると,あまり使い道はないように思われる。

注意 オフライン状態でアクセス可能なファイルは,クライアントのローカルディスクのファイルか,キャッシュされたオフラインファイルに限られる。キャッシュ上のファイルを利用する場合は,後述するように同期の問題があるため,複数のユーザーから同時にアクセスされるようなシステムを実現することはできない。ネットワーク上に存在するアプリケーションの多くは,複数のユーザーから利用されることを想定していることが多いので,[プログラムの自動キャッシュ]オプションを適用できるものは少ないだろう。

Fig.24 プログラムの自動キャッシュ
fig24.gif

 なお,[この共有フォルダで,キャッシュを可能にする]オプションを解除すると,その共有フォルダはオフラインで利用できなくなる。クライアントからアクセスする際にも[オフラインで使用する]メニューは表示されないので,オンライン状態でのアクセスのみが許される。機密性の高い情報などをできるだけ外部に漏らしたくない場合には,オフラインファイルを解除してしまうことが有効だろう。ただし,オフライン状態になっても,クライアント側にキャッシュされているファイルには,オンライン状態と同様のアクセス権限が機能している。したがって,オフラインフォルダを利用したからといって,セキュリティが霧散するわけではない。

Fig.25 オフラインファイルの解除
fig25.gif
prevpg.gif Deployment member server 7/14 nextpg.gif