Deployment of Windows 2000 member server 6...
管理ツールの互換性
次に,Windows 2000側からWindows NTドメインを管理するパターンを検証してみる。まずはWindows 2000にWindows NTが提供するSRVTOOLSをインストールしてみた。この場合の結果は,Table 2のとおりである。
Fig.33 [DHCPマネージャ]でWindows 2000のDHCPサーバーを管理するところ
Table 2 Windows NT 4.0の管理ツールを用いたWindows 2000によるWindows NTの管理
ドメインユーザーマネージャ | グローバルアカウントの管理 | ○ | 問題なし |
ドメインユーザーマネージャ | 監査の設定 | ○ | 問題なし |
ドメインユーザーマネージャ | ユーザー権利の原則の設定 | ○ | 問題なし |
サーバーマネージャ | サーバーのプロパティの管理 | ○ | 問題なし |
サーバーマネージャ | 共有フォルダの管理 | ○ | 問題なし |
サーバーマネージャ | サービスの管理 | ○ | 問題なし |
DHCPマネージャ | スコープの構成 | ○ | 問題なし |
WINSマネージャ | マッピングの表示 | ○ | 問題なし |
システムポリシーエディタ | ポリシーの作成 | ○ | 問題なし |
リモートブートマネージャ | × | 起動できない |
リモートブートマネージャ以外は,こちらも何ら問題なく利用することができた。現実にはリモートブートマネージャを利用することはほとんどないので,日常的に管理するうえでは何ら問題はないと考えてよいだろう。
最後に,Windows 2000で採用されたMMCベースの管理ツールで,Windows NTドメインを管理するパターンを検証する。このパターンで管理するためには,CD-ROM内のADMINPAK.MSIを利用し,メンバーサーバーやWindows 2000 ProfessionalにWindows 2000の管理ツールをインストールしておかなければならない。Windows 2000 Serverをインストールしたのであれば,このファイルは\WINNT\SYSTEM32にコピーされているので,単純にこのファイルをダブルクリックしてインストールすればよい。
結果はTable 3に示すが,Windows 2000の管理ツールはWindows NTの管理ツールとは体系が異なるので,目的とツールの対応で示すことにした。注意してほしい。
Fig.34 Windows 2000の[DHCP]管理ツールでWindows NTのDHCPサーバーを管理するところ(クリックで拡大可能)
Fig.35 Windows 2000の[DNS]管理ツールでWindows NTのDNSを管理しようとした場合のエラー
Fig.36 Windows 2000の[ローカルユーザーとグループ]管理ツールででWindows NTのローカルユーザーとグループを管理しようとした場合のエラー(クリックで拡大可能)
Fig.37 Windows 2000の共有フォルダの管理ツールでWindows NTの共有フォルダを管理するところ(クリックで拡大可能)
Fig.38 [Active Directoryユーザーとコンピュータ]管理ツールでWindows NTドメインにアクセスしようとした場合のエラー
Fig.39 Windows 2000の[WINS]管理ツールでWindows NTのWINSサーバーを管理するところ(クリックで拡大可能)
Table 3 Windows 2000の管理ツールによるWindows NTの管理
グローバルアカウントの管理 | [Active Directoryユーザーとコンピュータ] | × | 接続できない |
グローバルアカウントの管理 | [コンピュータの管理]−[ローカルユーザーとグループ] | × | ドメインコントローラのアカウントは管理できない |
共有フォルダの管理 | [コンピュータの管理]−[共有] | ○ | 問題なし |
サービスの管理 | [コンピュータの管理]−[サービス] | △ | 警告メッセージが表示されるが,操作自体は問題なし |
セッションの管理 | [コンピュータの管理]−[共有] | ○ | 問題なし |
開いているファイルの管理 | [コンピュータの管理]−[共有] | ○ | 問題なし |
DHCPの管理 | [DHCP] | ○ | 問題なし |
WINSの管理 | [WINS] | ○ | 問題なし |
DNSの管理 | [DNS] | × | Windows 2000のDNS以外は管理できない |
グローバルアカウントを管理できないという問題はあるが,実際には管理するコンピュータにWindows NTのSRVTOOLSをインストールしておけば,この問題は回避できるだろう。
なお,SRVTOOLSとADMINPAK.MSIを1台のコンピュータにインストールした場合,SRVTOOLSのWINSマネージャは使用できなくなるので注意してほしい。
上記の結果をまとめると,次のように考えることができる。WANを含む大規模ネットワークにWindows 2000を導入する場合の参考にしていただきたい。
- Windows 2000のメンバサーバーやWindows 2000 Professionalは,Windows NTコンピュータからWindows NTコンピュータと同等にリモート管理できる
- Windows NTのドメインやネットワークサービスは,ADMINPAK.MSIとSRVTOOLSを組み合わせることで,Windows 2000コンピュータからでも大半の機能を管理できる
Deployment member server 11/14 |