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CIOが経営を説得し、最もコスト高のSAP ERPを導入事例に学ぶシステム刷新(3)(3/3 ページ)

現在、システム全面刷新と大規模ERPパッケージ導入のプロジェクトに取り組んでいるゴルフダイジェスト・オンライン。前回はERPパッケージ導入へと至った経緯を紹介した。今回はERPパッケージ製品を選定する過程や、予算確保のための経営陣への周知活動などについて紹介する。

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現場主導によるIT戦略のモデルケース

 今回紹介したように、GDOがERPパッケージの導入に踏み切ることができた背景には、同社特有の幾つかの事情があったと見ることができる。

 まず1点目は、同社が近年増収・増益を続けており、相応のIT投資を行えるだけの予算的な余裕があった点である。そしてもう1点は、前述した通り、同社がITだけでなく業務そのものの仕組みも同時に抜本改善する計画だったため、既存業務とパッケージ仕様のフィット&ギャップにさほど苦しまなくて済んだ点だ。

 そして最後に、今回紹介したような、独自のプロジェクト体制が挙げられる。

 経営陣とプロジェクトの間にプロジェクトオーナーとしてCIOが入り、プロジェクト現場の声を、CIOが代弁して経営陣に説明するという方式を採ることで、一時的には例えコスト高になったとしても、長期的には実態に即した意思決定を可能にした。

 こうした同社特有の事情が幾つか重なったことで、初めてERPパッケージ導入の気運が高まったと言える。

 この辺りの事情は各企業によってさまざまに異なるため、必ずしもすべての企業で同社の事例がマッチするとは限らないだろう。しかし、IT部門が現場主導でIT戦略を策定し、現場の意思で会社全体の方針を動かすことができたモデルケースとして、参考にできる点は多いのではないだろうか。


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