高速起動&クイックレスポンスで“ファンタス”の再来なるか? 「楽レコ」を試す:レビュー(3/3 ページ)
三菱電機のDVDレコーダー本格参入第一弾となる「楽レコ」が登場した。電源ONから録画まで最短1.5秒のクイックレスポンスにくわえ、地上波EPG、大容量HDD、高速ダビングなどトレンドもしっかりおさえている。今回はトップモデル「DVR-HE700」を見ていこう
一方、並べ替えや検索の機能がない点は少々不満だ。ページスクロールも可能なので一覧性は悪くないのだが、やはり250GバイトものHDDを搭載した製品になると100番組以上の録画があってもおかしくはない。次モデルでは何らかの形で改善してほしい部分だ。
実用的な機能に挙げられるのが、「録画予約オートカット」機能だ。これは、ステレオ放送の部分をカットしたプレイリストを自動作成する機能。番組本編がモノラルや2カ国語放送の場合なら、ほぼ適切にCMをカットしたプレイリストを自動作成してくれる。精度として1秒程度の誤差はあるが、とりあえずCMは見ないという人には便利な機能だ。
もちろん録画自体はカットされていないし、番組自体がステレオ放送であった場合(8分以上連続してステレオ放送が連続した場合)、「録画予約オートカット」は動作しない。要するに、録画に悪影響を及ぼすリスクがほとんどないわけだ。この機能、購入時点では無効になっているが、常時有効にしていても構わないだろう。
録画画質を事前(録画前)に確認することもできる。実際に録画、再生回路を通した映像を画面に表示してくれるもので、ドラマ、スポーツ中継、アニメなど番組の内容に合わせて自分が必要とする録画画質を選択すれば良い。
“作り込み”に不安なし
このほか、基本機能には大きな不満はない。再生した番組は停止位置を番組ごとに記憶しており、複数の番組を途中まで再生し、後から続きを見るといった使い方にも対応。CMスキップは30秒単位のみだが、早見、早戻しも2/8/16/32/64倍速と細かいステップ。なお、音声付きの早見再生は搭載していない。
外部チューナーからの映像信号に連動した録画機能である「デジタル放送予約」機能もある。ON/OFFは本体側の操作でも可能だ。また、AV入力1のスルー機能も持っているため、AV入力1に外部チューナーを接続しておけば、DVR-HE700の電源がオフであったり、録画中であっても、外部チューナーの映像をテレビに表示できる。テレビのAV入力が少ない場合、あるいは外部チューナーのAV出力が1系統しかない場合などには、かなり便利に使えるだろう。
DVR-HE700は、三菱電機がDVDレコーダーに再参入して初の製品だが、基本機能は他社製品と比較しても遜色のないレベルで、しっかりと作り込まれている印象を受けた。同社はいわゆる今年の「新規参入組」だが、それを理由に不安を持つ必要はなさそうだ。
後編では、最大36倍速のダビング機能や録画画質を取りあげる予定だ。
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