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“レンズの力”を感じるクリアな画質――プロジェクター「PJ-TX100J」レビュー:劇場がある暮らし――Theater Style(5/6 ページ)

日立製作所のホームプロジェクター「PJ-TX100J」は、“御三家”モデルチェンジの合間に登場したD4 720pパネル採用機。優れたレンズ性能は同クラス製品に無いもので、コントラストや色バランスも良好。開発者のこだわりを感じる1台だ。

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 色調整に関しては、色温度のプリセットをベースに、バイアスとゲインをRGB独立して調整するタイプで慣れが必要なものだが、本機は発色傾向は素直でプリセットの色温度調整だけで、おおむね満足できる色となる。調整するにしても、バイアスをそのままにゲインだけ微調整すれば問題ない。

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シネマモード時の映像設定。色温度が8000度まで上がり、ガンマがノーマルとは異なるカーブになっているのがわかる。やや青みが強い

 Ovation Multimedia製のAvia Proという調整DVDで確認したが、色に関してはさほど大きな調整をせずに済んだ。また、明るさ、コントラスト、色の濃さ、色合いなどの設定は、映像ソースの品質さえ良ければ変更する必要はない。

 本機のマニュアル調整で、もっとも役立つのはガンマカーブのマニュアル設定だ。“ガンマ”と銘打たれているが、実際にはガンマカーブの明度に8ポイントの制御点を設け、それぞれの明るさを微調整する“トーンカーブ調整機能”といった方が正しいかもしれない。調整モードではグレースケールが表示され、好みのカーブを作れる。

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ガンマ設定メニュー。デフォルトのガンマ設定の違いはかなり大きい

 ノーマルモードで使われているデフォルト1番のカーブを元に、シャドウやハイライトの傾向、中間調の明るさを調整すれば、好みのトーンカーブに追い込むことができるだろう。オプトブラックのモード設定で、印象は大きく変わるため、できれば各オプトブラックモードごとに適したトーンカーブをメモリーし、必要に応じて切り替えるのが良いと思う。

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各色温度設定による発色の違い。単なるゲイン調整ではなく、オフセット(バイアス)も含めたプリセットになっているため、色のバランスを保ちながら色温度だけが変化する。映画やハイビジョンならば7500もしくは6500度に設定するのがいいだろう。写真での6500度は赤く見えるが、実際の映像ではさほど赤さは感じない。もちろん、カスタム設定でマニュアル調整も可能だ
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色温度9300度
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各画調モードにおけるトーンカーブの違いを撮影してみた。シネマ時のハイライト、シャドウの極端な強調がここでも明らか。ハイライトの階調に関しては、むしろミュージックの方がある。ただしミュージックはシャドウ部が潰れる。
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6500度でのグレーバランスを見ると、暗い階調に行くとやや色バランスに変化が出るものの、さほど気にならない程度に抑えられている。ただ、左右の色の違いがややあり、右は赤みが強く出た

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