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ソニー、7四半期ぶり増益も“AV製品の暗雲”晴れず(2/2 ページ)

ソニーの2004年度第2四半期の業績で、営業利益が前年同期比30.6%増を記録。四半期ベースで7四半期ぶりに好転したほか、中間期でも増益となった。だが“AV製品分野が窮地”という状況は改善されていないようだ。

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 「デジカメ、液晶/プラズマなどフラットパネルテレビ、北米中心に売れているリアプロテレビといったビデオ/テレビ製品が大きな増収となったほか、半導体製品では低温ポリシリコンLCD、CCD、高温ポリシリコンLCDなどが好調に推移。一方、オーディオ製品では携帯型オーディオの減収が大きく響いた」(湯原氏)

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エレクトロニクス分野の製品カテゴリー別推移

 エレクトロニクス分野の売上げの前年同期比伸び率を地域別に見ると、米国(2%減)/欧州(1%減)/その他(11%増)といった海外よりも、日本の7%マイナスという数字が目立つ。日本の減収の主な原因は、PC(バイオシリーズ)と放送用業務機器だ。

 「PC事業は、国内と海外で大きく違った。国内では期待していたバイオシリーズが振るわなかったが、一方で海外では非常に好調に推移している」(湯原氏)

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下期の期待は「リアプロテレビ」や「PSP」

 先日米国で行われた「家電業界“殿堂入り”」(米国家電協会主催)の授賞式で、殿堂入りしたソニー大賀典雄名誉会長がソニーブランドの昨今の低迷ぶりを「がっかりした」と発言し、業界の話題を集めた。

 この件に対して井原氏は「私も(今年6月の同社執行役副社長兼グループCSO&CFO就任前は)しばらくエレクトロニクス事業を離れていたが、久しぶりに復帰してみて(ソニーの)ファイナンシャルパフォーマンスには正直いってがっかりしている。大賀氏の発言は、“頑張れ”という励まし。われわれに対して、魅力ある商品、新しいカテゴリーを創出する力をもっと育めというエールであると理解している」と語る。

 さて、2004年度下半期は、どう見ているのだろうか。

 「米国の経済不振、中国の金融引締め、原油価格の高止まりなど、事業環境への懸念がある。下半期の期待は、単価/マーケットともに大きいディスプレイ分野。リアプロテレビ“グランドベガ”シリーズや、自社の最先端技術を搭載したプラズマ/液晶WEGAシリーズに期待したい。昨日戦略的な価格を発表したPSPも、すぐに収益に貢献するというわけではないが、ここにソニーの“勢いと覚悟”をみてもらいたい」(井原氏)

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