RDシリーズの“今”を全て詰め込んだハイエンド「RD-X5」:レビュー(4/4 ページ)
東芝「RDシリーズ」の最高峰「RD-X5」。ハイエンドモデルの高画質設計に、コンシュマー向け製品としては最大の600GバイトHDDを内蔵。最新のRDシリーズが持つ魅力を全て投入した「これぞハイエンド」といえるモデルだ。
「ネット de モニター」を活用すれば「softether」などで「RD-X5」の接続されたLANにVPN接続して、出先のPCで録画済みの番組や放送中のテレビを見ることもできる。実際、無線スポットで実験してみたが、なんら問題なくモニターできてしまった。「RD-X5」のインターネット接続環境が上り1Mbps以上は必要になり、原則FTTH環境に限定されるが、ほとんど制限なしに「RD-X5」を出先からも操作、モニターできるのは大きな魅力。なお実験時の「RD-X5」のインターネット接続環境は「TEPCO光」を利用している。
無線スポットからsoftetherで自宅のLANにVPN接続し、「ネットdeモニター」を利用しているところ。自宅側がFTTH、無線スポットも3Mbps程度の受信速度が確保できていたこともあり、モニターは極めてスムーズ
プレミア性は薄れた?
「RD-X5」は、まさに今のRDシリーズの集大成といえ、シリーズ内で見れば現時点で隙のないハイエンドモデルだ。「RD-X4EX」がW録だったら……、「RD-XS53」にゴーストリダクションがあれば……と、これまで購入を見送ってきた人たちも納得して購入できる製品だろう。
一方、ハイエンドモデルらしいプレミア性が薄れたのも事実。WEPGと「ネット de ナビ」をエントリーモデルの「RD-XS24」から、またW録を普及価格帯の「RD-XS36」に採用したため、RDシリーズ全体での機能が平均化してしまった。購入する側にとっては選択の幅が広がったし、結果的に「RD-X5」の価格面のプレミアも小さくなったのだから、これは決して悪いことではない。少なくとも「RD-X4」「RD-X3」といった過去のハイエンドモデルと比較すれば、より多くの人が魅力を感じる製品になることは間違いないだろう。
ただ、「RD-X5」はRDシリーズの新ハイエンドモデルを待っていた人たちの期待通りの製品ではあるものの、期待を超えた製品でもなかったのではないだろうか。RDシリーズのハイエンドはもうちょっと尖がってないと、というのは、筆者の身勝手な感想だとは思うが、いかがなものだろうか。
競合製品との比較となると、やはり気になるのは「スポーツ番組延長」に対する録画延長機能の不在で、「RD-X5」だけでなくRDシリーズ全体の課題だ。W録では延長録画もロジックが面倒になりそうだが、同じく2番組同時録画の「DMR-E220H/E330H」にはきっちり実装されているだけに気になる。RDシリーズの大きな欠点になりつつあるだけに、そろそろ対応が望まれるのではないだろうか。
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