ソニー、SXRDなど映像系半導体の生産強化で600億円投資
ソニーが、約600億円を投じてソニーセミコンダクタ九州の生産2拠点を強化すると発表。SXRDなど映像系半導体に注力し、オンリーワンデバイスや付加価値向上を狙う。
ソニーは12月21日、約600億円を投じてソニーセミコンダクタ九州 国分テクノロジーセンター(国分TEC、鹿児島県国分市)と同 熊本テクノロジーセンター(熊本TEC、熊本県菊池郡菊陽町)の拡張を実施し、主要半導体製品の生産体制を強化すると発表した。
約600億円に及ぶ設備投資は、2005年度と2006年度の2カ年度で実施。同社の主力であるAV製品のコアパーツとなるイメージング系半導体の生産体制強化が狙い。自社内生産による垂直統合を強めることで、他社との差別化に結びつくデバイスの開発や製品付加価値の向上を図る構え。
具体的には、国分TECに約100億円を投資して新棟を建設し、約5000平方メートルのクリーンルームを増床。同社独自の反射型液晶デバイス「SXRD」をリアプロジェクションTV向けとして生産するほか、液晶テレビ向けドライバーICなどテレビ向け半導体生産が中心となる。同製品群の国分TECでの生産開始は2006年春頃を予定。
また熊本TECでは約500億円を投じて、新棟建設および生産装置の導入を実施。2万平方メートルのクリーンルーム展開が可能な2層構造の新棟には、今回の投資で5000平方メートルのクリーンルームを設置。CCDやCMOSの生産を行うほか、将来的にはSXRDの液晶行程の展開も視野に入れているという。稼動予定は2006年春。
同社は昨日12月20日、平面TVではデバイスを自社内生産できるリアプロジェクションTVや液晶TVに注力すると発表している(12月20日の記事参照)。
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