CES取材で見えてきたデジタルAVの最新トレンド:麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」(4/4 ページ)
International CESでは、今年もさまざまな新製品/新技術/トレンドが紹介された。2005年最初の「デジタル閻魔帳」は、“世界最大級の家電の祭典”に毎年出向いている麻倉怜士氏に、CES取材で見えてきたデジタルAVの最新トレンドを語ってもらう。
――CESでは日本で話題だったSEDの展示がなかったようですが。
麻倉氏 : SEDは当然米国でも大きな話題となっていましたが、一般来場者が訪れる会場には確かに展示されていませんでした。しかし実は、サウスホール一階のある場所にこっそり展示していたのです。混乱を避けるために招待状ベースでユーザーを制限していたのでした。
そのプライベートブースにはハリウッドの撮影監督や大手量販店トップなどキーパーソンが招かれ、日本の発表会と同様のデモンストレーションが行われましたが、その画質を見て"すぐにこれを作ってくれ"という声が多数上がっていました。来年は、SEDがCESを席捲するかもしれませんね。とにかくCESは面白い。これを見なければデジタルAVの今後は語れないという域まで達しています。来年のホテルは早速、予約しましたよ。
麻倉怜士(あさくられいじ)氏 略歴
1950年生まれ。1973年横浜市立大学卒業。 日本経済新聞社、プレジデント社(雑誌「プレジデント」副編集長、雑誌「ノートブックパソコン研究」編集長)を経て、1991年にデジタルメディア評論家として独立。自宅の専用シアタールームに150インチの巨大スクリーンを据え、ソニー「QUALIA 004」やBARCOの3管式「CineMAX」といった数百万円クラスの最高級プロジェクターとソニーと松下電器のBlu-ray Discレコーダーで、日々最新AV機器の映像チェックを行っている、まさに“映像の鬼”。オーディオ機器もフィリップスLHH2000、LINNのCD12、JBLのK2PROJEST/S9500など、世界最高の銘機を愛用している。音楽理論も専門分野。
現在は評論のほかに、映像・ディスプレイ関係者がホットな情報を交わす「日本画質学会」で副会長という大役を任され、さらに津田塾大学の講師(音楽史)まで務めるという“3足のワラジ”生活の中、精力的に活動している。
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