小型なのに光学6倍/手ブレ補正/乾電池対応――LUMIX「DMC-LZ2」:レビュー(3/4 ページ)
LUMIXの新シリーズ「DMC-LZ2」が登場した。コンパクトボディならが光学6倍ズームを搭載し、同社おなじみの光学式手ブレ補正ジャイロも装備。乾電池対応も旅行などで便利。このスペックで実売約4万円もウレシイ500万画素機だ。
旅行にも役立つ単3形電池対応の小型ボディ
機能と操作性については、多くの部分をDMC-FX2/7から受け継いでいる。撮影モードは、かんたん、通常撮影、エコ、マクロ、シーン1、シーン2、動画の7モードが用意される。かんたんモードとは、機能を絞ったビギナー向けのモードであり、エコモードとは液晶輝度を押さえた省電力モードのことだ。
液晶モニタは2.0型を搭載。液晶の画素数は8.5万画素と少ないが、暗所や明所での視認性は十分なレベル。光学6倍ズームにもかかわらず、光学ファインダーや液晶ビューファインダーを省いたことは、私は気にならないが、中には気にする人もいるかもしれない
シーンモードでは、ポートレート、パーティ、雪など8シーンを選択でき、連写モードでは、最大秒間3コマのスピードで連続3コマ(ファイン)の連写ができる。またフリー連写モードでは、低速ながらカード容量までの連写に対応する。
背面の十字ボタンの上を押すと、露出補正、オートブラケット、ホワイトバランスの微調整の各画面に順にアクセスでき、十字の左ではセルフタイマー、右ではストロボモード、下ではクイックレビューをそれぞれ設定できる。
上位のFZシリーズとは異なり、絞りやシャッター速度の設定には対応しないが、特に問題はないだろう。もの足りなく感じるのは、動画モードのサイズが320×240ピクセルと平凡なことだ。動画記録中にも手ブレ補正は有効だが、撮影中はズームやAFが固定される。しかも、動画に音声は付くが、スピーカがないので本体で再生する場合は無音だ。
撮像素子には1/2.5インチの500万画素CCDを、画像処理にはヴィーナスエンジンプラスをそれぞれ採用する。ヴィーナスエンジンプラスとは、従来のヴィーナスエンジンIIの性能を受け継ぎながら、省電力性を高めた新エンジンである。
発色はクリアで、彩度とシャープネスがほどよく強調されているので、そのまま印刷する用途にも最適だ。画質調整メニューから、さらに鮮やかさを強調した「ヴィヴィッド」や、落ち着いた色調になる「ナチュラル」にも切り替えられる。
不満はISO400の画質だ。ノイズが多くなり、解像感はかなり低くなる。従来のDMC-FX7と同程度なので、本モデルだけの弱点とはいえないが、高感度の画質は今後の改良に期待したい。仮に、高感度の画質がもっときれいになれば、手ブレ補正の魅力と合わせて鬼に金棒になるはずだ。
電源に単3形電池を使える点は、FXシリーズやFZシリーズにはないメリットだ。ちょうど試用期間に海外にも持参したが、充電器を持たなくても済むことや、売店やコンビニで電池を手軽に入手できる点はやはり助かる。こんなことは書くまでもなく、スペックを見れば分ることだが、実際に旅行に持っていき、そのありがたみを痛感した。
その旅行には数台のデジカメを持参したが、一眼レフ機以外ではこのDMC-LZ2が最も活躍した。光学6倍ズーム、手ブレ補正、小型ボディ、単3電池対応というメリットを兼ね備えるのは本モデルだけだからだ。
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