BDドライブ初展示――ソニー、VAIO連携など“BDワールド”披露:CeBIT 2005
ソニーがCeBITで同社初のBDドライブを展示。2層記録対応でBD-ROM/-RE/-Rの読み書きが可能。そのほかHDVカメラ、BDドライブ接続のVAIO、BD-ROMプレーヤー試作機を用いた“BD World”を展開してBDをアピールしている。
ドイツ・ハノーバで開催中のCeBITで、ソニーは同社初となるBDドライブを展示。同社製のHDVカメラHDV-FX1、BDドライブを接続したVAIO、BD-ROMプレーヤ試作機を用いた“BD World”をデモンストレーションしている。
これまで次世代光ディスクに関しては、セルビデオビジネスや録画ニーズなどが話題の中心だったが、ソニーは自社初のPC用BDドライブの発表をきっかけに、PCやAV家電などを繋げるメディアとしてのBDをアピールしていく。
デモはFX1で撮影した映像をiLINK経由でVAIOに取り込み、ビデオ編集ソフトからBD-REに書き込み。そのディスクをBD-ROMプレーヤで再生させるというもの。セルビデオビジネス優先の戦略を見せるHD DVDに呼応して、参加企業に総合家電ベンダーが多いBD陣営の優位性をアピールするのが狙いだろう。
VAIOに接続されたBDドライブは2層記録対応の、BD-ROM/-RE/-R対応ドライブ。ピックアップレンズを2系統切り替える事で、CD/DVD/BDの3メディア対応を実現している。今回やはり同じく3メディア対応ドライブを発表したフィリップスと共に、BDドライブとしては初の3メディア記録対応ドライブとなる。
現状は対物レンズを切り替える手法を採っているが、これはレーザー出力がまだ小さいため。出力が大きくなれば、シングルレンズの3メディア記録ドライブも可能とのことだ。別途発表されてたアップルコンピュータのBDAへの加入も含め、パソコンへの搭載・普及を起点にした普及戦略を、レコーダ/プレーヤの普及戦略と並行して行っていく。
もちろん、HD DVDもPCドライブが用意され、東芝は年内にもAVノートPCのCOSMIOシリーズに搭載する予定になっているが、HD DVDに賛同するベンダーで家庭向けのHDカメラを発売/発売予定のベンダーはない。
ソニーは米国で展開している「like.no.another」コンセプトを欧州でも展開。総合展示会らしくあらゆるタイプの製品が並んだ。米国のPMA 2005で発表された手ぶれ補正付き12倍ズーム機の「DSC-H1」は未発表だが、今回のCeBITで発表となったのは薄型デジタルカメラの「DSC-T7」(日本では3月9日に発表済み)。DSC-H1に関しては展示は行われていなかった。
T7は1/2.5インチ、有効510万画素のCCDを採用。レンズはカールツァイスのVario Tessar 3倍ズームで38-114ミリ相当、本体部の厚みもTシリーズの伝統に従って9.8ミリとカードケースライク雰囲気を醸しだし、レンズバリア兼用電源スイッチなど扱いやすい面を引き継いでいる。色はシルバーとガンメタリックの2種類が置かれていた。欧州での価格は499ユーロ(約7万円)。
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