日本ビクターが“片面2層DVD-RWディスク”技術を開発――書き換え型では世界初
日本ビクターは4月4日、片面2層のDVD-RWディスク技術を発表した。現行DVD-RWディスクの約1.8倍となる8.5Gバイトの容量を持つ。同技術の規格化をDVDフォーラムへ提案し、実用化を進める方針だ。
日本ビクターは4月4日、8.5Gバイトの容量を持つ片面2層のDVD-RWディスク技術を発表した。現行DVD-RWディスクの約1.8倍の容量を持ち、1枚のディスクに最長10時間50分(同社DVDレコーダーのEPモード)を録画可能になる。書き換え型ディスクの2層化は世界初。
一般的に、ディスクを2層化するためには、信号読み出し面側に半透明で透過率の高い第1記録層(L0層)が必要となる。しかし、通常DVD-RWディスクで採用されている記録膜では、透過率を高めるために記録層を薄くすると記録レーザー光の吸収が減少し、書き換え時のマーク(信号記録パターン)形成と消去が十分にできなくなるという問題があった。
そこで同社は、DVD-RWの高速対応ディスクで培った相変化設計技術を用い、高い透過率を持ちつつ、信号の書き換えを実現する高感度記録膜と、消去性能を高める新記録方法「N-ストラテジ」(仮称)を新開発。さらに、ナノテクノロジーを用いた薄膜形成技術を組み合わせることで、書き換えディスクの2層化に成功したという。
あわせて、現行のDVD-RWディスク製造設備を用いて2層ディスクを大量生産できる「対向貼り合わせ方式」も開発した。これは、2つの基板に、L1層とL0層それぞれの記録層の積層順を変えて成膜した後、形成された記録層面を向き合わせて中間層で貼り合わせるというもの。2つの記録層を独立したプロセスで作製し、最後に一体化させるため、生産性に優れ、大量生産が可能になるとしている。
これまで片面2層ディスクは追記型だけで、書き換え型は世界初。日本ビクターでは、「今後、DVDフォーラムへ規格化を提案し、正式に規格化された後で実用化を進める」としている。ビデオレコーダーをはじめ、PC用DVDドライブ、モバイル用途など、幅広い分野へ応用展開を図っていく方針だ。
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