ソニー・西谷氏に聞く「次世代DVD統一交渉の顛末とこれから」:緊急インタビュー(4/4 ページ)
事業トップ同士の会談も物別れに終わった次世代光ディスクの規格統一。今後、各社は次世代光ディスク事業にどのように取り組んでいくのか。統一交渉の一部始終と今後の光ディスク事業に関して、まずはソニー・業務執行役員常務の西谷清氏に聞いた。
――東芝側からは今後、統一交渉を続けるならば0.6ミリ以外では受け入れられないといった報道も見られます。一方では0.1ミリ、0.6ミリにこだわらずという意見もあり、やや揺れている印象ですが、藤井氏自身は「0.1ミリ構造で検討をして無理だったのだから、その次は0.6ミリ構造についても検討するのが正しい道筋」と発言されているようです。ソニーとしての、今後の統一に対するスタンスや考えをお話しいただけますか?
「元々の話が0.1ミリ構造を受け入れてもいいので、統一の方向で調整しましょうと始まったものです。したがって0.6ミリ構造前提での検討となると再開するのは難しい。すでに発売されているレコーダーよりも容量が小さくなる規格を次世代にはできません。統一するならば、より容量が大きなものになる必要があります」
「今後の製品計画という意味では、統一交渉が一段落したことで、これまでと変わらないスタンスで着々と進めます。この1カ月の騒ぎもあったけれど、今まで通り、BDAの仲間と話をしながらフォーマットを作っていきます。BDでの製品化を進めるモードに切り替わったので、今後はそちらに力を入れてきます」
――では、再度の話し合いは難しいのでしょうか?
「BDAに参加する我々ベンダーは、少なくとも2006年中には映像パッケージビジネスをスタートできるようにと準備を進めてきました。何か大きな変更を加えるには、もうそろそろ時間的に難しいタイミングになっています。決して門を閉じているわけではありませんが、非常に難しいとは言えるでしょう」
なお、ソニー・広報室によると、ソニー社長に就任予定の中鉢良治氏は、光ディスク統一に向けてたいへんに意欲的で、「機会さえあれば、自ら統一に向けての交渉を行いたい」と話しているという。事業部としてはBDの製品化へと再スタートを切ったソニーだが、会社全体としてはまだまだ統一に対する意欲は残っているようだ。
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