トータルオーディオシステムのプレミアム度は?――BOSE「Lifestyle 48」:レビュー:ストレージ搭載オーディオ特集(4/4 ページ)
映画サラウンドだけでなく本格的な音楽鑑賞も楽しめるのがボーズの「Lifestyle 48」。本特集ではHDD内蔵メディアセンターの“音楽ジュークボックス”としての使い勝手を検証してみた。
こうしたデータベース内に情報がないアルバムの場合は、CDごとの通し番号のみ付加され、曲名などは「ラベルなし」という扱いになる。もちろん、設定メニューから「保存済みCDの情報の編集」で、曲名などを手動で入力していくことも可能なのだが、残念ながら日本語入力には対応していない。また、テレビ画面上では日本語表示が可能だが、メディアセンター本体の表示部も英数字のみにしか対応していないため、日本語のアーチスト名や曲名は「・・・・」などとなってしまう。
uMusicでHDDへ保存した曲を再生するには、自動選曲を利用するほか、もちろん聴きたいものを選んでもいい。テレビ画面、または、本体表示部を見ながら、アーチスト名、アルバム名、曲名をたどっていくか、CDの通し番号で直接呼び出しも可能だ。
再生音質に関しては、CDからの再生と比較して、ほぼ遜色ないレベル。取り込んだ音楽はMP3に変換されるのだが、ビットレートはある程度高いと思われる。
ただ、オーディオCDから無圧縮PCMのまま転送した場合でも、340時間分の保存には200Gバイトほどですむはず。個人的には、ヤマハ「CDR-HD1500」のように無圧縮で取り込むようにしたほうがよかったと思うのだが……。記録したデータは、基本的にどこへも持ち出せないのだから、著作権保護の面でも特に問題は生じないだろう。
もちろん、圧縮により特に音質に問題があるわけではない。しかし、この製品のような高級モデルを購入する人が、どちらの方法を好むかは言わずもがなだ。しかも、そうした層には、コンセプトアルバムやライブアルバムで曲間が一瞬空くことに不満を感じる人も多いに違いない。無圧縮での取り込みであれば、この点も問題なく防げたはずだ。
この「Lifestyle 48」は、“トータル・プレミアムオーディオシステム”という銘にたがわず、映画のサラウンド再生、そして、音楽鑑賞のいずれにおいても、伸びのある高音と、自然かつ豊かな低音により、まとまりのある高いレベルの音響を聴かせてくれる。また、ADAPTiQによる自動音場補正の採用、DTS、Dolby Digitalに加え、MPEG-2 AACのデコードにも対応するなど、基本機能は充実している。
ただ、音楽ジュークボックスとしての側面については、(特にPCでの音楽鑑賞に慣れた者にとっては)まだこなれていない印象は否めない。自動選曲のシステムはよくできているだけに、今後の成熟を期待したい。
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