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12倍ズーム・手ブレ補正、でも小型――松下「LUMIX DMC-FZ5」レビュー(3/4 ページ)

松下電器産業の「LUMIX DMC-FZ5」は、光学12倍ズーム+光学手ブレ補正を小型軽量ボディに収めた人気の1台。オートにもコダワリ撮影にも対応する懐の深さを持つ。高倍率ズームコンパクト機の“定番”の魅力をレビューで探ってみた。

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 なお、フードを取り付けると、フラッシュ使用時にワイド側でケラレが生じるので注意が必要だ。フラッシュ撮影時にはこまめに外すようにするか、5倍までズームすればケラレなくなるので、そのあたりで対応すればいいだろう。

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フラッシュはもう少しポップアップすると嬉しい。背面にポップアップボタンを備える

 A/S/Mモード時は、絞りやシャッタースピードを自分で決められるので、本格的な撮影が可能だ。絞りなどの値を設定するにはワンクッションが必要で、液晶上の露出ボタンを一度押すと、上下で絞り値、左右でシャッタースピードが変更できる。

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マニュアル露出の場合、上下で絞り、左右でシャッタースピードが変更できる。変更するためには、液晶上部の「EXPOSURE」(露出)ボタンを押す

 この一手間が少し残念なところだが、もともと初代DMC-FZ1はいかに簡単に高倍率ズームを楽しむか、というコンセプトのもとに開発され、以後FZシリーズは次第に高機能化してきた。コンパクトさを犠牲にせずに高度な撮影機能を実現するためには、このあたりが妥当な解なのかもしれない。

 普段はPモードで撮影し、じっくり構えて撮影するときにA/S/Mモードを活用するのが良さそう。シャッタースピードは1/2000秒〜8秒、絞りはF2.8〜F8まで変更できる。ISO感度はオート/ISO80/100/200/400で、オートではISO200まで増感されるようだ。

 ISO感度を上げると、ノイズもリニアに増えていくが、レンズの明るさと手ブレ補正のおかげで、比較的低ISO感度でも対応できる点はいい。

 ただ、ホワイトバランスとISO感度の設定がメニュー内というのが少々面倒だった。基本的にはオートか固定設定で撮影することになるだろう。

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ホワイトバランスやISO感度はメニューからしか変更できない

 ホワイトバランスはオートでもあまり問題になるような場面は少なかった。屋内の白熱灯下の撮影でやや赤みがかることもあったが、逆に雰囲気を残しており、好感触だった。

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シーンモードはポートレート・スポーツ・風景・夜景・夜景ポートレート・流し撮り・花火・パーティ・雪の9種類。縦方向のみの手ブレが補正される流し撮りは、シーンモード内から選択できる
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シーンモードは十字キー上下で選択、右で確定だが、左を押すとヘルプが表示される

いつでも持ち歩ける高倍率ズーム

 FZ5は、光学12倍ズーム+光学手ブレ補正で、幅広い場面に対応できるカメラだ。同クラスの製品は増えているが、初代から数えて4代目に当たるFZ5は、今までのキャリアを生かしたそつのない作りが光る。

 バッテリ駆動時間も約300枚(CIPA規格)と十分な長寿命を誇り、3コマ/秒・最大4コマ(画質ファイン)の高速連写や、カード容量いっぱいまで連写できるフリー連写も十分に高速で、AFや書き込み速度といったレスポンスの良さも備えている。

 撮影設定で一手間が必要な点が気になるところだが、シャッタースピードと絞りの変更のところでも考察したとおり、基本的にオートでの撮影を狙ったカメラということだ。これは設計ポリシーの問題なので、実際のところは大きな問題というわけではない。

 オートでも十分な画質を実現でき、ちょっと腰を据えて撮影にこりたいときでもマニュアル撮影を可能にする懐の深さもある。軽量で持ち運びしやすいのも嬉しい。

 いつでも持ち歩ける高倍率ズーム機として、是非購入を検討したい1台だ。

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