RDシリーズの新スタンダード「RD-XS57/XS37」を徹底検証(後編):レビュー(5/5 ページ)
前編では、強化された予約録画機能や「ネット de ナビ」など、「RD-XS57」と「RD-XS37」共通の機能について触れた。今回は、DVDへのダビング性能、D1解像度での録画が可能になったLPモードの画質評価、そしてRD-XS57固有の機能であるスカパー!連動やHDMI出力などに触れていく。
スカパー!連動機能自体は、従来からとくに変化はない。スカパー!チューナーを接続したライン入力を設定し、チューナーの種別を設定すれば良い。また予約録画時のチューナー電源のON/OFF連動も可能だ。
スカパー!連動機能の設定に難しい点はない。スカパー!チューナーとRD-XS57を連動ケーブルで接続し、チューナーのAV出力とRD-XS57のAV入力を接続したライン番号を設定。スカパー!チューナーのメーカーを指定するだけ
後は、番組ナビで録画したいチャンネルを表示局に設定すれば、スカパーの番組内容が番組表に表示され、地上波アナログ放送などと同じように番組を選ぶだけで録画予約が行える。
番組ナビの設定は表示CHにチャンネル番号、CHコードに「C100-」に続けてチャンネル番号を設定するだけ。できれば一覧からなどの選択も可能にしてほしいが、頻繁に行う作業ではないので仕方ない部分かもしれない
もちろん、「おまかせ自動録画」も可能であり、この点は今のところRD-XS57だけのメリットだ。スポーツ中継などは専門チャンネルでも放送時間が不定なので、スカパー!連動機能と「おまかせ自動録画」の組み合せも結構便利に使えるはず。実際、番組表を見る限り地上波アナログ放送よりもスカパー!の方が番組名などの揺らぎが少なく、キーワード検索もより確実に行えそうだ。
RDシリーズの1つの完成形
2回に渡ってレビューをお届けしたRD-XS57/37。もともと多機能だったRDシリーズに「おまかせ自動録画」「番組おっかけ」が追加されたことで、従来のRDシリーズに欠けていた予約録画に関連する機能はほぼ補完されたといっていい。ソニー「スゴ録」のように「おまかせ録画」だけで予約録画を全てこなそうというタイプではないが、録画予約機能をしっかりと理解すれば、録りたい番組を録り逃すことはほとんどないだろう。
もっとも、機能と位置付けにアンマッチを感じる部分もあった。RD-XS57にはゴーストリダクションチューナーが搭載されておらず、ソニーやパイオニアがスタンダードモデルにも搭載を進めていることを考えるとちょっと疑問が残る。RD-X5との差別化という都合もあるのだろうが、RD-X5はゴーストリダクションチューナーは搭載しているがスポーツ中継延長対応すら果たしておらず、どちらも何かが欠けているという状況だ。
とはいえ、RD-XS57とRD-XS37はRDシリーズの1つの完成形といえるだろう。競合製品に劣っていたと思われる機能はほとんどカバーしてしまったし、ネット de ナビもさらに洗練された。予約録画機能という点では、上位機の「RD-X5」を完全に凌いでる。いわゆるおまかせ録画の利用が中心であればスゴ録「RDR-HX82W/92W」の方が便利かもしれないが、PCとの親和性は圧倒的にRD-XS57/37が上だ。とくにスカパー!を視聴している人たちは、RD-XS57を「待ってました!」と歓迎するのではないだろうか。
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