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“快眠”を助ける電気毛布のメカニズム(2/2 ページ)

三洋電機が9月に発売する「ス・ヤ・ヤ」は、業界初の「快眠プログラム」を搭載した電気毛布だ。就寝中の体温変化に着目し、コントローラが寝床内温度を制御。快眠を得るサポートをしてくれる。真夏に電気毛布の話題も何だが、詳しい話を聞いてきた。

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 三洋電機では、「ス・ヤ・ヤ」の製品化に先立ち、立命館大学のスポーツ・健康産業研究センターと共同で検証実験を行っている。数人の被験者に脳波計を取り付けたまま寝てもらい、快眠プログラム利用時と未利用時を比較。就寝時の脳波を測定した。

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実証実験の様子

 まず、布団に入ってから“深い睡眠状態”を示す脳波が現れるまでの時間が短縮されていることがわかった。

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電気毛布使用時と未使用時で深い睡眠が現れるまでの時間を比較した結果。暖かい布団は熟睡に至るまでの時間を短縮する(この効果はほかの電気毛布でも同じ)

 次に、就寝後も温度が“高め”のままにしてある電気毛布を比較対象として脳波を計測した。一般的に、人間はレム睡眠とノンレム睡眠を90分程度の周期で繰り返すといわれており、その回数に差は出ない。しかし実験の結果、快眠プログラム使用時には「レム睡眠/ノンレム睡眠のどちらかでいる時間が長くなる」ことが分かったという。

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睡眠深度の計測結果。レム睡眠からノンレム睡眠へ(あるいはその逆)の移行にかかる時間が減り、「R」(レム睡眠)と「D」(ノンレム睡眠)のどちらかにとどまっている時間が長くなった

 「脳が浅いレム睡眠は、脳内部の情報を整理し、記憶が再編&固定される。一方のノンレム睡眠は深く、大脳に休息を与えるもので、どちらの眠りも人にとっては不可欠だ。両方の割合が増えているのは、“しっかりした睡眠のリズムができている”ことを示している」(同氏)。

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被験者ごとのレム睡眠、ノンレム睡眠の割合をグラフ化したもの。どちらも占有率が高いほうが良い

 さらに、起床前に温度を上げる効果を検証するため、温度を“低め”にしたままの電気毛布と快眠プログラムを比較する。起床後、被験者に感想を尋ねたところ、5人中3人が快眠プログラムによって「すっきり」方向に改善されたという。1人は変わらず、もう1人は「眠い」と回答した。

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起床時の寝床内温度を一定(低め)に保った場合と、快眠プログラムによって温度を上げた場合の比較。5人の被験者のうち、3人が「すっきり」の方向に改善された

 なお、寝起きが改善されなかった1人は、「眠い」と同時に「寒い」と回答している。このような個人差を吸収するため、快眠プログラムは温度設定を3段階で変更可能だ。「使用開始当初は、自分に適した温度設定を探すことになるだろう。一度設定すれば、あとは“快眠プログラム”をスタートさせるだけでいい」。


 「ス・ヤ・ヤ」は9月1日に発売予定。ラインアップは、電磁波低減タイプの「PDC200」(ピンク)と「PC200」(ベージュ)の2つで、どちらも片面がマイクロファイバーマイヤー、もう片面に綿のリバーシブルタイプだ。

 価格はオープンプライス。店頭ではPDC200が1万9800円程度、PC200は1万5800円程度になる見込みだ。電気掛敷毛布としては少しだけ高めだが、快眠のためなら高くない?

型番 BKS-PDC200 BKS-PC200
ピンク ベージュ
消費電力 75ワット☆2☆
寸法 188×137センチ☆2☆
電磁波低減機能
価格 オープン(1万9800円程度) オープン(1万5800円程度)
発売日 9月1日☆2☆

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