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小型で軽いデジタル専用望遠ズーム――AF-S DXズームニッコールED55〜200mm F4〜5.6Gレビュー:デジ一眼「2本目のレンズ」(3/4 ページ)

ニコン「AF-S DXズームニッコールED55〜200mm F4〜5.6G」は、小型軽量で価格が安く、望遠撮影の入門用に最適なレンズ。ニコン製デジタル一眼レフ機を買った人の2本目のレンズとしてお勧めできる。

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 一般的に手ブレを抑えられるシャッター速度の目安は、「使用するレンズの焦点距離」分の1秒以上といわれている。つまり100mmのレンズなら1/100秒以上のシャッター速度だ。この法則を「AF-S DXズームニッコールED55〜200mm F4〜5.6G」に当てはめると、55ミリ側は35ミリ換算で82.5ミリ相当なので1/82.5秒以上、200ミリ側は300ミリ相当なので1/300秒以上のシャッター速度ということになる。

 あくまで目安とはいえ、結構厳しい数字である。D70/70sやD50の最低感度のISO200を基準に考えた場合、絞りがF4〜5.6の時に1/250秒以上のシャッター速度になるのは晴天の日向に限られる。曇天や室内で撮る場合は、感度をISO400や800、あるいは1600に上げるべきだろう。そして、常にブレを意識し、シャッター速度を確認しながら撮るようにしたい。

 ニコンのデジタル一眼レフ機では、暗い場所では自動的にISO感度を高める「感度自動制御」機能がある。これをONにしておくのがブレ対策として有効な手段のひとつだ。また至近距離の場合は、ストロボを使ってブレを防ぐ手もある。あるいは三脚や一脚を使うのも有効だが、この小型軽量の望遠ズームに三脚は似合わない。

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感度自動制御をONにして、シャッター速度の下限に1/125秒にセットした。感度がISO900まで上がったため少しノイジーになっているが、手ブレするよりは、このほうがいい
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手ブレを止めるのをあきらめ、いっそのこと流し撮りをする手もある。1/30秒のシャッター優先AEを使い、被写体の動きに合わせてカメラを左から右へと動かしながらシャッターを押した
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写真からはやや暗く見えるが、十分な光量があり、ISO200のF6.3で1/640秒となった。このくらいのシャッター速度なら、手ブレの心配は少ない
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AFなど撮影のレスポンスは高速なので、シャッターチャンスをとらえやすい。このカットはガラスごしの撮影だが、細かい部分までシャープに写った

チープな見かけによらず光学性能は高い

 さて、画質はどうだろうか。「AF-S DXズームニッコールED55〜200mm F4〜5.6G」は、外観がプアな“お手軽ズーム”ということで、正直あまり期待はしていなかったが、実際に画像を見てみると、予想外にシャープに写ることに感心した。55ミリ側でも200ミリでも解像力は十分なレベルだ。望遠レンズで生じやすい色収差についても、2枚のEDレンズを組み込んだことで、目立たないようにうまく補正している。

 開放F値が暗いので、大口径ズームのような大きなボケは表現できないが、下の2枚のカットのように近接撮影であれば、それなりにきれいな円形のボケが生じる。

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82.5ミリ相当になる55ミリ側で撮影。ややコントラストは高めで、ピントの合った部分はシャープに解像した。絞りは開放値のF4を選択
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300ミリ相当になる200ミリ側で撮影。上のカットに比べるとわずかにシャープネスが低下したが、それでも十分に高画質といえる。絞りは開放値のF5.6を選択。焦点距離が長い分、背景のぼけは大きくなった

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