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新たなCDコントロール技術「セキュアCD」を試すレビュー(4/4 ページ)

「セキュアCD」は東芝EMIが新たに導入した著作権管理技術。この新技術が投入されたCDを購入してみたので、iTunesなどとの相性やさまざまなPC環境下での挙動をチェックしてみた。なんとMac OSでは……。

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iTunesからは認識される? MacOSでは?

 それでは、iTunesやSonicStage、WMPなど、普段CD再生/ライブラリーソフトとして使っているソフトからセキュアCDはどう見えるのか? 結論から言ってしまえば、それらのソフトからは認識されず、リッピングも行えない。筆者が普段使用しているPC(ThinkPad T42 ドライブは松下のUJDA755yDVD/CDRW)で試した限りでは、iTunes 4.9/SonicStage 3.2/WMP10いずれのソフトからもFCCDは認識されなかった。

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FCCDをセットしたiTunes。「ライブラリ」欄になにも表示されていない
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SonicStage。「CDから録音」を選択しても左カラムに何も現れず「音楽CDをセットしてください」というメッセージが表示される
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WMP。「取り込み」タブをクリックしてもなにも表示されない

 ドライブとの相性もあるかと思い、ThinkPad R50(ドライブは松下のUJDA760 DVD/CDRW)や自作機(ドライブはNECのND-1300A)でも同様にチェックしてみたがいずれも結果は変わらず。パッケージの紙帯に「iTunes、OpenMG JukeBox、SonicStage等には対応していません」と書かれている通りの結果となった。Windows XP/2000をプラットフォームとして使用する限り、AACやATRAC、MP3などへのリッピング/エンコードは難しいと考えていいだろう。

 ところで、専用プレーヤーの対応OSにMacOSは含まれていない。そこで試しにMacOS X 10.3.9がインストールされたPowerBook G4(12インチモデル CPU 1GHz/ドライブは松下のUJ-816)にて試したところ、専用プレーヤーは起動しなかったが、あっさりとiTunes 4.9で認識された。iTunesからはCDDBへのアクセスも行われてアルバム名/曲名も取得されたほか、リッピングも行えた。

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MacOSからはiTunesでリッピングできた

 Finder上からはFCCDは1枚のディスクながらも「A Bigger Bang」「オーディオCD」という2つのディスクとして表示され、「オーディオCD」からはAIFFファイルも認識できた。あくまで推測だが、FCCDの専用プレーヤーはMacOSに対応していないので、FCCDとCD-DAという2つが混在したハイブリッドディスクとして認識されたと考えられる。ただし、繰り返すが、FCCDはMacOSに対応していないので、筆者の環境でリッピングできたとはいえ、ディスクを痛める可能性もあるサポート外の行為であることを付記しておく。

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「A Bigger Bang」「オーディオCD」と認識された
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「オーディオCD」からはAIFFファイルも確認できる

 これまでにも著作権管理技術が導入されたCDとしては、CCCDやレーベルゲートCDが市場に投入されてきた。これらもPCで再生/利用する際には専用ソフトを使用してきたが、FCCDの専用プレーヤーはこれらと比較しても使いやすく、DRMの設定は個々のタイトルの依存するものの、「A Bigger Bang」についてはある程度納得がいく仕様となっている。

 しかし、課題がないわけではない。WMPを利用したファイルからのCD書き込みは7回までとなっているのに、CD一括コピーについては上限が3回となっており、利用者を混乱させる可能性があるほか、CD一括コピー用の専用書き込みソフトがインストールされることに抵抗を感じる利用者もいるだろう。

 最大の問題はWMAしか作製できるファイル形式を選択できないことだ。承知の通り、最も利用者の多いポータブルプレーヤーはiPodであり、現時点では、FCCDで提供されるタイトルについてはiPodで持ち出すことができない。技術的な課題はあると思うが、改善を望みたいポイントだ。

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