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コラム

ホームネットワークはどこへ行った?小寺信良(3/4 ページ)

映像ソリューションの話題が盛んだが、昨年まで家電/PC業界で話題だった「ホームネットワーク」が鳴りをひそめている。なぜだろうか? DLNA普及のハブ的役割を担うデジオンに、ホームネットワークの現状などを聞いた。

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 今年のニュースなのでご記憶の方も多いと思うが、米国では今年5月に、FCCが発表した違法コピー防止策「ブロードキャストフラグ」は無効、との判決が下された。もともとブロードキャストフラグなどは、日本のコピーワンスのようなガチガチのコピー防止策ではなく、ものすごくユルい規定だったのだ。なにせフラグ対応機器同士ならホームネットワークでのコピーはOK、既存デバイスに対しては規制放置、インターネットへも限定少数の配布ならOKというから、今の日本では到底考えられない自由度だ。

 だがこれを米裁判所は、著作権保護の妥当性云々の前に、「FCCにそんなことを決める権限などない」と切って捨てた。もちろん訴えた原告団は強力な消費者団体である。

 ではデジタル放送にDRMがない米国などでは、現時点でのDLNAの規定でHDの映像は伝送できるのだろうか。

三阪氏: 「HD解像度のMPEG2-TSに関しては、すでにメディアフォーマットとして定義済みです。ただテレビなどはいいんですが、PCでHDの映像を扱う課題は、まずディスプレイの解像度が足りないということ。またWMV HDやHDVのような高圧縮ストリームをさくさく再生できる環境というのは、非常に限られるということでしょう。ソフトウェア的にやらなきゃならないハードルはそれほど高くないと思いますが、グラフィックスカードなどのハードウェアは、これから対応を待っていくことになると思います」

 一方日本で放送のデジタルコンテンツをPCならびにネットワーク上で扱うことにに待ったをかけているのは、ARIB(社団法人 電波産業会)という団体である。デジタル放送のコピーワンスが見直される可能性も出てきた現状と、ネットワーク系ハードウェアがDTCP-IPなどの保護技術に対応していくことを考え合わせれば、ホームネットワーク上でデジタルコンテンツが扱えるようになる日は、そう遠くないかもしれない。

サポートの問題への解決策

 普及への課題として上げられるサポートの問題、つまり「繋いだのに動かない」という時に、どこが責任を持ってサポートしていくのかというのは、現時点ではそう簡単に決着が付かない。複数メーカーの製品が繋がっていく、ネットワークならではの問題がそこにある。

 だが、デジオンがこの11月から発売するDLNA対応レコーダー「DiXiM DMR-1000」が、その手助けとなるかもしれない。このレコーダーはデジオンが開発し、ホームネットワーク開発メーカー向けに、888台限定で販売するという。一般ユーザーでも購入可能だ。

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開発者向けDLNA対応レコーダー「DiXiM DMR-1000」
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メニューのテイストも同社のDiXiMに合わせている

 HDD自体は搭載しておらず、購入後に自分で好きな容量のものを追加するというスタイルで、税抜き8万8千円。録画部だけ見れば、+RW VRフォーマットに対応しているのが珍しいと言えば珍しいが、現在のレコーダーからすればさほど高機能という訳ではない。

 このマシン最大の特徴は、DLNAガイドラインに則った同社のメディアサーバと、メディアクライアントであるDiXiMが実装されているというところである。また製品にはPC用のサーバとクライアントソフト、ファイル転送ソフトも付属する。

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