第31回 スポーツと明るさとシャッタースピードの関係:今日から始めるデジカメ撮影術(4/4 ページ)
秋といえばスポーツ。競技場でのプロのスポーツならともかく、運動場などで友人らのスポーツ姿を撮るのであれば普通の3倍ズーム機でもOKだ。今回は身近なスポーツを撮るポイントをお伝えしよう。
屋外でフットサルを撮る
第3弾はフットサル。体育館のフットサルやナイターのフットサルは大変だけど、昼間のフットサルは実に撮っていて楽しいのだ。フットサル、テニス、バスケットボールなどはコートの大きさが適度なので、望遠デジカメじゃなくても十分楽しめるのである。
もちろん一番の大敵はシャッタースピード。屋外でも曇天下だと平気でシャッタースピードが遅くなるので、ISO感度を調整しながら撮ろう。次に注意したいのはピント。特に被写体が動いていると、誤って背景にピントが合いがちなのだ。それを防ぐにはボールや選手の足元にピントを合わせるといい。でもボールを構図の中心に置いちゃうとこうなる。
せっかくかっこいいシーンなのに、ボールが中心にあるので頭が切れちゃってるし、ボールの下には地面が広がってて無駄だ。
いったんボールにピントを合わせたら、シャッターを半押しにしたまま(フォーカス位置をロックしたまま)カメラをちょっと上に向けて構図を決定し、ここぞというタイミングで撮るのだ。
ボールを中心にピントを合わせる方法には、露出アンダーを防ぐという意味合いもある。普通に空と地面を入れて撮ると、空の明るさにひっぱられて逆光な写真になりがちだからだ。半分から2/3くらい地面を入れる感じがいい。
フォーカスロックしてからあまり時間がたつとボールが大きく動いてピント位置がずれちゃうのでやりなおす。
ちゃんと人物が中心にくればこんな写真も簡単。
人やボールを横から撮るときは、カメラをボールに合わせて動かしながら撮るといい。うまくすればきれいに流し撮りができる。
逆に、ボールが左右に動いてないときは下手にカメラを動かさない。
スポーツを撮るときはあまり人物が小さくならないよう、あまり構図上の余白ができないようにやや望遠気味で撮るといいが、フィールドの近くで広角で撮ると、遠近感がついてフィールド全体を見渡せる写真になって楽しい。無理に望遠でアップで撮ろうなんて思わなくてもいいのだ。
ではゴール前での攻防を狙ってみよう。
遠いゴール前はもう望遠にしてタイミングを見計らって撮るべし。
迫力ある写真はゴールの近くで。やはりゴール前をボールが動き回るし、相手DFも大勢いるのでボールが人の影に隠れちゃうので狙って撮るのは大変だが、だからこそ撮れると楽しい。
試合を観ていると、この選手はこういうのが得意だとか、この選手はこういうときパスを出すとかそういうのが見えてくる。そうなったらシュートを撮るのも難しくないのだ。
彼のプレーはなかなか巧かったので、いいシュートを打ってくれそうだなと狙ってたら、すかさず打ってくれた。だからシュートした瞬間を撮れたのである。実は上手い人の方が撮りやすいのだ。
今回は「スポーツだから望遠が必要というわけじゃない」というテイストで身近なスポーツを撮ってみた。3倍ズーム機でも積極的に持って行って撮りまくろう。
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