デジ・アナ同時録画対応の“スゴ録”新フラッグシップ「RDZ-D90」:レビュー(8/8 ページ)
ソニーから「スゴ録」の新しいフラッグシップモデルとなる「RDZ-D90」が登場した。「RDZ-D5」の後継モデルという位置付けで、ほとんどの機能を継承。内蔵HDDを大容量化、アナ・デジ同時録画対応など、機能拡張も図られている。
画質面にも触れておくと、TS録画した番組は当然ながら放送と区別の付かないクオリティ。地上波放送を最終的にDVDに保存する場合、アナログ放送よりデジタル放送を録画してダビングした方が明らかに良好な画質になった。今回は、ビクター「LT26-LC60」とHDMI接続して試用したが、不安定な動作などもまったく見られない。内蔵のアップコンバージョン機能も良好で、DVDビデオの再生ではD端子接続(D2)よりもHDMI接続の方がシャープな印象だった。
地上波アナログ放送の録画画質に関しては、既存のスゴ録とほぼ同じ傾向と見て良いだろう。ゴーストリダクションチューナーも搭載するなど、アナログ放送を軽視するような傾向も見られない。
本機を触れてみて、やはり第一の魅力と感じるのは独自UIの「XMB」と、「XMB」に最適化されたリモコンによる軽快な動作だろう。スティック操作だけでほとんどが完結する操作性はやはり魅力的だ。
反面、良好すぎるレスポンスは多少使い手を選ぶこともあるだろう。特にスクロールはスティックを上下いずれかに押しっぱなしすると徐々に加速してスクロールするのだが、筆者が操作していても目的の項目を行き過ぎてしまうことがあった。このあたりは慣れの問題だし、動作レスポンスが悪いよりはずっと良いとは思うのだが、決してネガティブな面がゼロとはいえないだろう。
UIという点では、地上波アナログ放送の電子番組表が従来のスゴ録と同じ一列表示のままだった点が少々手抜きといわざるを得ない。重要度が低いことは理解できるが、デジタル放送がラテ欄タイプゆえにそのギャップが気になる。
デジタル放送の電子番組表は、情報量も平均的で、スクロール速度なども平均的。「XMB」を採用した部分のレスポンスが良好なだけにスクロール速度などは気になる。次のモデルでは電子番組表もビュンビュン動作するようになってくれると嬉しい。
「おまかせ・まる録」は、学習機能を備えてさらに便利になった。反面、デジタル放送を「おまかせ・まる録」でバンバン録画するにはHDD容量に不安があるし、DVDへのダビングに関してもなんらかの形で予約録画との並行動作を実現してほしいところだ。また次期モデルでは、CPRMに対応済みのDVD-R DLのサポートも是非望みたい。
最後にちょっと苦言っぽいものが増えてしまったが、今秋にそろって登場する競合製品と比較すると、「XMB」による軽快動作と進化を続ける「おまかせ・まる録」は本機の確かなアドバンテージになる。デジタル放送でもとにかく見そうな番組はどんどん録って、軽快に楽しみたい、といった人に適した製品といえそうだ。
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