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コントラスト向上で進化した“ハリウッド画質”――松下「TH-AE900」レビュー:Theater Style(5/5 ページ)

カラリストとともに絵作りを行う“ハリウッド画質”の3代目が松下電器産業のシアタープロジェクター「TH-AE900」。最新のエプソンD5パネルを採用したことで、どこまで表現力を向上させているだろうか。

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映像処理回路にやや古さを感じる

 一方、映像回路に関しては昨年と変わっておらず、最大のライバルである三洋電機やセイコーエプソンの進化に対して、相対的に遅れを取っている印象だ。

 HDMI端子経由でDVDを視聴する場合は、DVD側で出力解像度を720Pに設定することで精細感の高い画質を得られるが、コンポーネント映像あるいはD端子での接続の場合、輪郭の甘さが気になる。

 またハイビジョンに関してもHDMIの方が精細感が高いことは同じだが、ハイビジョン対応のI/P変換機能は内蔵されていないのか、ジャギーや横方向の動きでのボケ感が気になる場面が見られる。

 全体的な絵の傾向もHDMIとアナログ入力では異なり、コンポーネント接続時の方がいろ再現域が狭く薄味でコントラストも低めに出るようだ。このあたりは入力信号に対してやや余裕を持たせたA/D変換を行った結果かもしれない。また色数、階調のなめらかさに関しても、特に気になるほどではないが、他製品と比較すると余裕がない印象だ。

 なお25dBの動作音は、さほど耳障りな音質ではなく、数値から想像するよりも静かな印象だ。頭のすぐ近くに設置しない限り、さほど気にならないレベルである。また、テレビやDVDプレーヤの操作が可能でボタンサイズも大きいリモコンは、DVD視聴時の操作を1個に集約できるため大変便利に利用できた。

 採用液晶パネルの世代変更という比較的大きなモデルチェンジの中で、TH-AE900は絵作りとコントラスト、それに昨年から引き続いてのダイナミックアイリスの制御熟成といった面で進歩している。購入して来て、ポンと置くだけで映画らしい表現力を楽しめる点は素晴らしい。しかし、それ以外の点では昨年モデルからの変化が少ない点は残念だ。

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