小型HDDプレーヤーの隠れた実力派――AVC「SN-H1000」:レビュー(2/3 ページ)
AVC Technology Japanの「SN-H1000」は名刺入れサイズのボディに、1インチ(8Gバイト)のHDDを搭載した動画再生も可能なポータブルプレーヤー。音楽再生機能とともに、動画再生機能の使い勝手などをチェックしてみた。
転送が完了すれば、本製品で音楽を楽しめる。再生/一時停止ボタンを長押しすれば電源が入り、その後にジョグキーを押すとHDDの内容を表示する「ナビゲーション」モードに移行するので、そこからジョグキーを使って「MUSIC」と進み、目的のフォルダ/ファイルを選択すればよい。
ロータリーボリュームの機能はiPodにおけるクリックホイールとほぼ同等だが、機械式スイッチとなっており、実際にホイールが回るところが大きく異なる(回転するだけで、ロータリーの円盤部分を押し込むことはできない)。ロータリーボリュームの中央にはジョグキーが用意されており、メニュー呼び出しや再生時の早送り/早戻しなどはこのキーから行うようになっている。
操作の大半はロータリーボリュームで行えるが、ファイル操作やディレクトリ移動の際にはどうしてもジョグキーを使わざるを得ない場面もある(HDDの上下階層を移動するときなど)。ロータリーボリュームを使っての操作はなかなかに快適なだけに、ジョグキーを組み合わせず、ロータリーボリュームだけですべての操作が行えればよかったと思う。
標準添付のヘッドフォンと組み合わせた場合、中域音の厚みを意図的に強調するようなサウンドを奏でる。ソースにとっては好ましい特性といえるが、人によってはキレのない、厚ぼったいサウンドと感じてしまうかもしれない。気になる場合はヘッドフォンの交換、もしくはイコライザーの適用で対処した方がいいだろう。
プリセットイコライザーはROCK/JAZZ/CLASSIC/POP/DANCE/R&B/HIPHOP/BLUES/BALLAD/TECHNO/SRS WOWとかなりの種類が用意されているが、ハッキリとした効き味(言い換えれば極端)のものも多い。微妙な味付けをしたいならば2つまで保存できるユーザーイコライザーを活用した方がいい。
音楽や映像を再生するには「ナビゲーション」画面から直接ファイルを選択してもいいが、FMラジオやボイスレコーディング、各種設定については、ジョグキーを長押しすることで呼び出せるメインメニューから行うこともできる。
動画を楽しむには添付ソフトでの変換が必要
動画については本体HDDの「MOVIE」フォルダにファイルを転送するだけでは再生できず、付属ソフトの「Transcoder ver 2.0」で独自形式(.PIX)に変換してからの転送が必要となる。音楽ファイルのようにフォルダへ転送するだけで映像が楽しめる方が利便性は高いが、現在では再生機器側の制約(画面サイズ/解像度、プロセッサパワーなど)があるため、事前にPCで変換を行うのは致し方ないだろう
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