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RDらしさを増したデジタル放送時代の“3 in 1”、東芝「RD-XV81」レビュー(3/4 ページ)

東芝からデジタル放送対応のVHS一体型DVDレコーダー「RD-XV81」が登場した。同社初のデジタル放送対応「3 in 1」というだけでなく、HDDへの「W録」、ネット機能、スカパー!連動など、よりRDらしさが増した点に注目だ。

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 3 in 1製品の最大のメリットといえるのがダビング機能。XV81では、HDD、DVD、VHSの間でほぼ自由にダビングが行える。デジタル放送を録画した番組はコピーワンスの制限に従ってHDDからDVDへはムーブになる。DVDにムーブした番組はHDDへの再ダビングはできないが、VHSへのダビングは回数の制限なく行える。もちろんデジタル放送を録画した番組をVHSにダビングするとコピーガード信号が付与されてしまうが、現状においてはこれがルールだ。

 VHSからのダビングでは、VHSテープの停止位置からのダビングにくわえて、ワンタッチでVHSテープの先頭に戻ってダビング、あるいはDVDメディア1枚にぴったり収まるように画質(録画モード)を自動設定するダビングが可能だ。VHSテープのインデックス信号がHDDやDVDのチャプターとして反映されるため、複数の番組を録画したVHSテープを一括ダビングしても番組を検索などは便利に行える。DVDへはVRモードでダイレクトにダビングすることができる。

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VHSへのダビングは主に「見るナビ」から、VHSからのダビングは操作対象を「HDD」または「DVD」に切り替えておき、クイックメニューから行う。ダビング専用ボタンや専用メニューがない点は評価の分かれるところだろう

 VHSへのダビングは「おまかせプレイリスト」機能を併用すると便利だ。地上アナログ放送のHDD、DVDへの録画時に「本編自動チャプター」機能を有効にしておくと、番組本編とCM間にチャプターが自動設定され、さらに本編とCMを自動で識別してくれる。

 もちろんステレオ放送にも対応しており、本編がモノラルか2カ国語放送字のみ動作するといった制限はない。さらに「おまかせプレイリスト」機能を利用すると、ワンタッチで本編のみを集めたプレイリストを自動作成してくれる。このプレイリストをVHSテープにダビングすれば、本編のみがダビングされる仕組みだ。地上デジタル放送の録画に利用できないのが残念だが、VHSテープへのダビングが目的であれば地上アナログ放送の録画でも不満は出ないだろう。

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「本編自動チャプター」機能を有効にして録画した番組。今回の例では冒頭の数秒間のCMが本編に含まれてしまったが、ほぼ的確に本編とCMの境目にチャプターが設定された。CM部分のチャプター名が「CM」になっている
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「本編自動チャプター」機能を有効にして録画した番組で、「見るナビ」のクイックメニューから「おまかせプレイリストを作成」を実行。ほとんど待ち時間なしで本編のみが結合されたプレイリストが作成されるので、これを「見るナビ」からVHSにダビングすればいい

 残念な点は従来機で採用されていた、VHSを含むビジュアルなダビングメニューがなくなった点だ。VHSを含んだダビング作業は全てクイックメニューからの操作となり、通常のダビングメニューにも含まれていない。「とりあえずクイックメニュー」のしきたりに慣れているRDユーザーなら良いが、そうでないと迷いが生じそうだ。新バージョンになった「ネットdeナビ」にインプリメントが間に合わなかったのか、デジタル放送対応製品ということでターゲット層を多少はAV機器の操作になれている層としたのかはわからないが、デジタル放送対応とはいえ、初めてのDVDレコーダーとして買う人も多そうな製品だけに、個人的には復活を望みたい。

 VHSデッキ部のスペックは特筆する部分はない。標準/3倍モードでヘッドを共用する2ヘッド仕様で「HiFi」再生対応。再生時の「3DNR」(3次元デジタルノイズリダクション)機能は備えているものの、S-VHSテープの再生は「SQPB」(簡易再生)で、解像度はVHSと同等だ。ただし筆者が目視で確認する限り、ジッターは少なく、安価なVHSデッキよりは走行系などの作りは良さそうだ。インデックスサーチやインデックススキャン(連続頭だし再生)機能は備えている。

 いつも通りDVDメディアへの高速ダビング時の所要時間と、PCでの簡易計測によるDVDメディアの書き込み品質も検証した。今回から計測用ドライブをプレクスター「PX-755A」に変更し、合わせて簡易計測用のソフトウェアも「PlexTools Professional」(V2.32a)に切り替えている。なお使用したメディアは全て推奨メディアだ。

 ダビング速度はDVD-Rが最大16倍速、DVD-R DLが最大4倍速、DVD-RWが最大6倍速、DVD-RAMが最大5倍速(いずれもPC表記)となっており、いずれもDVDレコーダーとしては最速スペックだ。DVD-R DLを除くそれぞれのメディアほぼ一杯に高速ダビングを行った時の所要時間はほぼスペック通り。DVD-Rもファイナライズ含めて6分台と中々高速だ。DVD-Rでは動作音を抑える「静音」モードでもダビングを行ってみたが、この場合は4倍速相当になるようだ。

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