1年後にはBDタイトルの充実ぶりに驚くだろう――ディズニー:次世代DVDへの挑戦(3/3 ページ)
ハリウッドメジャーの中でもディズニーは、次世代光ディスクにもっとも多くの容量、機能、性能を求めている映画会社だ。Blu-rayを支持する理由も全く同じで、BDタイトルの販売計画は非常にアグレッシブ。ディズニーとブエナビスタに話を聞いた。
さて、インタビューを通し、新フォーマット立ち上げのために積極的な姿勢を見せてきたディズニーだが、果たしてBDパッケージソフトの価格は、どの程度に設定する方針なのだろう。
「DVDと比べれば多少は高くなる。最高画質の映像とロスレス圧縮のサウンド、そして高度でインタラクティブなナビゲーション機能があり、それぞれに付加価値がある。バリューが増えたぶん、高目の値付けにはなるが、それがいくらかは現時点では言えない」(クレマース氏)
では、コーデックは何を使用するつもりなのか。
「H.264とVC-1は、どちらも十分に高画質との評価。これは映画自身の製作者あるいはコンテンツ制作を担当するポスプロ側が、いずれかを選択すればいいと思う。ディズニーとしては、そのどちらを使っても良いと思っている。ただし、AVCとVC-1には現時点でハードウェアエンコーダがないため、初期タイトルではMPEG-2を利用することになる。ビットレートは映画のタイプによって異なり、アニメなのか実写なのか、アクションものか、静かな映画なのかなど、さまざまな要素を考慮した上で決めることになる」
「もっとも、どの選択をしたとしても、ライバル(HD DVD)向けソフトよりは高画質化が可能だと思う。容量の違いはともかくとして、最高ビットレートがBDの方が高いため、VBRを積極的に用いてピークビットレートを上げることで、画質を明確に向上させることができるからだ」
では、ディズニーのいう“容量の大きさ”を生かせる2層ディスクは、いつから投入することになるのだろう。初期タイトルはいずれも25Gバイトの1層ディスクにとどまる予定だ。
「年内には使いたいと思っているし、そうあることを願っている。(“願っている”という言葉に、“現状は把握できているか?”と訊くと)2層ディスク採用パッケージを採用可能だと評価しているが、自社では製造していないため“願っている”としただけで、確信はしている」(カー氏)
東芝の低価格プレーヤーは脅威ではない
今年CESで発表された東芝の499ドルHD DVDプレーヤーについては、どのような見方をしているのだろうか。
「確かに、初期のBDプレーヤーはHD DVDプレーヤーよりも高価だ。しかし、しばらくすればBDもHDも同じような価格でプレーヤーが購入可能になる。多種多様なベンダーが参加していることを考えれば、ポテンシャルとしてはBDの方が大きい。くわえてプレステ3のことも忘れてはならない」
「そうした“比較的買いやすいプレーヤー”が登場したとき、ふと振り返ってみるとすでにタイトルが幅広く提供されていることがとても重要だ。またプレーヤーの選択肢が広く、お店の棚に複数のメーカーがプレーヤーを置いているということも、同様にユーザーに対するアピールとなる」
「われわれは、過去8年に渡って、さまざまな映画をHDテレシネ処理でHDマスターとしてきた。最近ではDIプロセスによる4K2Kの映像も多くなってきている。こうした高品質のマスタークオリティを継続的に発売していくことで、BDの事業が立ち上がる手助けをすることができるだろう。また、アニメに関してはフルデジタルの全く新しいレストアプロセスに取り組んでいる。その最初の作品は『バンビ』だった。同様の手法で、クラシックなディズニータイトルをどんどんBDソフトとして発売していく」(カー氏)
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