家族の味方? 導入の敷居を下げるAVシステム:レビュー:「ビエラリンク」対応機器を試す(後編)(3/3 ページ)
前編に引き続き、松下電器産業の「ビエラリンク」対応機器を試用した。今回は、32インチ液晶テレビ「TH-32LX600」、デジタルAVコントロールセンター「SU-XR57」、そして5.1chスピーカーセットの「SB-TP80」を組み合わせ、連携動作を確認してみよう。
最後に前回のレビューに入らなかったDMR-350のダビング速度や品質について追記しておきたい。
DVDへのダビング速度は、最新世代といえるものだ。カタログスペックや対応メディアを読み取る限り、DVD-R DLが最大4倍速、DVD-R/DVD+Rが最大16倍速、DVD-RWが最大6倍速、DVD-RAMが最大5倍速(いずれもPC表記)。ドライブは同社のグループ会社が製造する「SW-9582C」(パナソニックブランドの単体製品はLF-D821JD)をベースにした物だろう。高速ダビング時の書き込み速度には4倍速相当の「静音モード」も準備されており、初期設定内に設定項目がある。
高速ダビング時の書き込み速度は、初期設定内の「記録設定」で変更可能。最高速モードでDVD-Rへの高速ダビングした時でもそれほど動作音が大きいとは思わなかったが、少しでも動作音を抑えたい、書き込み品質にこだわりたいといった人は静音モードを利用するといい。
デジタル放送を録画した番組のダビングに対応するのはCPRM対応のDVD-R DL/DVD-R/DVD-RAMメディアだ。旧モデルの「DMR-EX300」がDVD-RAMだけだったことを考えると大幅に対応メディアが拡大されたわけだが、DVD-RWがVRフォーマット記録に対応していない点には注意したい。
DIGAの場合、「DVD-RAMがおススメ」というのはわかるが、“DVD-RAM陣営 v.s. DVD-RW陣営”という図式もいい加減意味がなくなったので、DVD-RWを冷遇するのはユーザーにためにもやめてほしいものだ。DVD-RWでもビデオフォーマットではダビングできるわけだから、ハードウェア的に問題がある訳ではないだろう。
ダビング性能の検証では、いつも通り国産メディアを中心に利用し、台湾製の激安メディアの1つとしてSmartbuyブランド(製造は台湾Prodisc)のDVD-Rをくわえた。今回は検証時間の都合もあってDVD+RとDVD-R DLの検証は省略させてもらったこと、また試作機ゆえかメディア固体の問題か、DVD-RWメディアはビクター製の6倍速メディアでおかしなダビング時間になってしまったため、今回は4倍速対応メディアでの検証になっている。
ダビングに要した時間は表の通り。結果から読み取るとDVD-Rは8倍速相当となり、どうやら書き込み速度は最大8倍速に抑えられている雰囲気だ。高速ダビングでも動作音がさほど気にならなかったのはこのせいかもしれない。DVD-RWは4倍速、DVD-RAMは5倍速と概ねメディアに見合った所要時間といえる。推測の域はでないが、いまさら旧世代のDVDドライブを利用するとも思えないので、あまりメリットのないDVD-Rの最大16倍速書き込みは無効にしていると思われる。
書き込み品質の検証では、TS録画した番組のダビングも考慮して、CPRM対応の太陽誘電製8倍速対応DVD-Rメディアに等速ダビングした物をくわえた。品質測定はいつも通りプレクスター「PX-755A」を用いたPCでの簡易計測環境だ。
DVD-Rの等速書き込みでは、PIエラーやTAのスコアが良好なのは当然ともいえるが、最大16倍速で書き込んでいると思われる高速ダビングでのスコアもかなり優秀。国産メディアでは申し分なく、ヘッドとメディアの相対速度が速くなる外周部に向かってエラーレートが高くなるといった傾向も見られない。DIGAシリーズは、8倍速世代のドライブを用いた製品まではDVD-Rへの書き込み品質が「良くもないが悪くもない」という印象だったが、16倍速世代ドライブに変わってから一気に改善が進んだように感じる。
激安メディアでは、TAが若干気にはなるレベルだが、エラーレートは許容範囲内だ。最大16倍速でこれなら、静音モードを利用するとかなり書き込み品質の改善が期待できる。DVD-RWメディアはTAが気になるが、これは比較的どのDVDレコーダーでも見られる傾向であり、エラーレートは十分許容範囲。少なくとも国産、もしくは国内メーカーが海外の自社ラインで製造しているメディア(三菱化学メディアのシンガポール、閉鎖が決まったTDKのルクセンブルグなど)を使っている限り、書き込み品質に問題はなさそうだ。
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