ウォークマン ケータイはどこまで“ウォークマン”か(2/2 ページ)
KDDIの新モデルの中、ひときわ異彩を放っているのが、ソニー・エリクソンの“ウォークマン ケータイ”「W42S」。どこまで“ウォークマン”なのか、音楽再生機能についてウォークマン「NW-A607」と比較してみた。
やや複雑な楽曲管理――楽曲保存場所でソフトの切り替えが必要
着うたフル/CD(au Music Port、Sonic Stage CP)/LISMO Music Storeいずれから入手した楽曲についても、W42S上での管理はau Music Playerで行う。
しかし、前述のように本製品はau Music Playerの上に本体メモリの楽曲を管理/再生する「au Music ライブラリ」、メモリースティックの楽曲を管理/再生する「M.S.Music ライブラリ」が位置する構造となっており、音楽再生機能を利用する際には、再生したい楽曲がどちらのメモリに保存されているかを確認した上で、au Music ライブラリかM.S.Music ライブラリから再生したい曲やアルバムを選択しなくてはならない。
再生を開始してしまえば、基本的な再生操作についてはシャトルプレーヤーから可能となり、停止した後もレジューム機能によって再生位置は保持される。ただ、シャトルプレーヤーから、au Music ライブラリ/M.S.Music ライブラリを切り替えることはできず、本体キーを操作してau Music Playerから操作する必要がある。
本体でプレイリストを作成するか、メニューから「全曲再生」を選択すれば、本体メモリ/メモリースティックいずれに含まれている楽曲もシームレスに再生できるが、2つのプレーヤーソフトを切り替える機会もたびたびあるはず。2つのメモリを完全にシームレスに扱えないところが、W42Sの使い勝手を語る際に最大の弱点になるかもしれない。
再生時間は?音質調整の幅は?
W42Sは新開発の音楽再生用チップ「モバイルエンハンサー」を搭載し、最大30時間の音楽再生時間を確保している。同じくスライドボディの音楽ケータイ「W31S」が最大6.5時間であったことから考えるとかなりの延長だ。
しかし、再生可能時間はソースの種類と収納場所(内蔵メモリ/メモリースティック PRO Duo)で若干変動する。メモリースティック PRO Duoから着うたフル/au Music Portからインポートした楽曲を再生するとその再生時間は約10時間と短くなってしまう。
楽曲種類 | 内蔵メモリ | メモリースティック PRO Duo |
---|---|---|
着うたフル | 約30時間 | 約10時間 |
au Music Portからインポートした楽曲 | 約30時間 | 約10時間 |
Sonic Stage CPからインポートした楽曲 | 保存不可 | 約28時間 |
NW-A607(参考) | 約50時間 | ―― |
搭載する音質調整機能は4種類のイコライザ、2段階の低音強調、バーチャルサラウンドのほか、圧縮音源に対して高音域を補完する「harmonic tune」、音漏れ防止機能の「AVLS」を備える。NW-A607はAVLSを備えるほか、低音と高音をそれぞれ−4〜+3の範囲で調整可能だが、プリセットイコライザなどは備えない。音質調整の幅で言えば、W42Sの方が広範囲に調整可能といえる。
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