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くらしに根付くユビキタスを提案――松下電器産業

エンターテインメント性に優れ、もはや家庭になくてはならない家電であるテレビ。コミュニケーション手段として、固定電話に取って代わった携帯電話。DVDレコーダー、デジタルカメラなどの記録装置。そしてコンテンツを運ぶSDメモリーカード。家電製品がネットワーク上で連携し、そこにSDメモリーカードというメディアを活用することで、新たな価値が生まれる。こうした“くらし”に根付く新たなバリューチェーンの創出、それが松下電器産業のスローガンである「ideas for life」のひとつの姿だ。

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くらしから始まるユビキタスネットワーク社会

 インターネットが普及し始めて10年以上たち、いまやいつでもどこでもネットワークにつながる環境が整いつつある。この「いつでもどこでも」を意味するキーワードが「ユビキタス(遍在的)」だ。「いつでもどこでもネットワークにつながり、あらゆる情報を享受できる」ユビキタスネットワーク社会の到来に向け、通信会社やコンピュータメーカーなどが中心となってインフラ整備にいそしんでいる。

 こうした中、「くらし」という観点からユビキタスネットワーク社会の実現を目指しているのが松下電器産業だ。本社R&D部門内、IPコミュニケーションシステム開発室 室長の水野治展氏は語る。


松下電器産業 IPコミュニケーションシステム開発室 室長 水野治展氏

 「ユビキタスというと、国家規模のインフラ整備ばかりに目がいきますが、私たちの生活空間である"住宅"に目を向けてみると、すでにさまざまなネットワークが介在していることに気が付きます。具体的にいえば、インターホンがそうですし、給湯システムの制御もボタン1つでできるようになっている。コンテンツデリバリーの仕組みも大きく変化し、テレビも一方的な電波受信の箱ではなくなってきました。それに家の中で携帯電話を使う人も増えています。家の中でもこれだけネットワークにつながり、その恩恵を享受しているのです。そこで当社では、強みである生活という部分でユビキタスの可能性を探り、1人1人の家から始まる豊かなユビキタスネットワーク社会の実現を目指しているのです」

テレビを中心にした家庭内のバリューチェーン

 テレビをはじめとするAV機器は、確かにそれ自体がネットワークにつながってコンテンツを受信するネットワーク機器といえる。今日では、複数台のテレビを持つ家庭も少なくない。ビデオやDVD/ハードディスクレコーダーも同じことだ。ならば、AV機器自体を「つなぐ」ことで、新たな付加価値を生み出せないか?――こうした発想から始まるのが、松下電器産業のスローガンでもある「ideas for life」の"ideas"のひとつである。くらしの中から生まれるアイデアを、最先端技術を使って実現する。その中核を担うのがR&D部門だ。

 例えば、現在私たちの生活や住宅空間の中で、テレビは非常に大きなものになっている。そこでテレビをユビキタスの中心に据えてみよう、というのが同社の考えにあるという。


家庭内のバリューチェーンの中心を担う松下電器産業の薄型テレビ「VIERA」シリーズ。ビエラリンクを実装した機種では、テレビのリモコン1つで、DVDレコーダーやAVアンプなどさまざまな機器を操作できる

 対象となるのはテレビだけではない。冒頭に述べたような住宅設備、エアコンのような白物家電も、リモコンや住宅用コントロールパネルを操作するためにすでにネットワーク化されている。また、携帯電話も家庭で使うコミュニケーション用のネットワーク機器だ。

 こうしたAV、くらし・設備、コミュニケーションのほかに、気軽に写真を撮ってその場で楽しめるデジタルスチルカメラも、生活の中に溶け込んできた。この4分野において、それぞれが有機的に「つながる」ことで、エンターテインメントやコミュニケーションの世界もさらに広がるはずだ。

 その1つとして同社が提唱しているのが、SDメモリーカード、DVD、デジタルテレビ(DTV)をつないで新たな価値創造を実現する「3Dバリューチェーン」。SDメモリーカードやDVDというメディア、そしてDTVというコンテンツを表示する家電を連携させることで、新しいエンターテインメントの可能性を提示する戦略だ。手元にリモコンが1つあれば、別の部屋にある録画コンテンツが自室のテレビで楽しめ、撮影した写真も高画質の大きな画面で鑑賞できる世界が、もうすぐ現実となるわけだ。

 もちろん、テレビやDVDのコンテンツをどの部屋でも楽しむには、さらなる技術革新が必要となる。R&Dでは、こうしたニーズを実現するネットワーク技術の開発にいそしんでいる。その成果として現在提供しているのが「ビエラリンク」であり、この核となる技術HDMIの評価・設計を行ったのが、ほかならぬR&D部門だという。

 そのほかにも、グループ会社である松下電工と共同で開発した「くらし安心ホームシステム」では、分電盤の中にネットワークハブを搭載し、住宅設備の中でのネットワーク整備に貢献した。インターホンや監視カメラなどの住宅設備と携帯電話をIPネットワークでつないだり、ガレージとテレビをつないだりすることで、自宅周辺のセキュリティを高め、安心・安全なくらしの実現を提案している。

 このように、AVというエンターテインメントの世界があり、住宅設備があり、携帯電話などコミュニケーションがあり、デジタルカメラのようなイメージングの世界があって初めて「普段の生活が成り立っているのです」と言う(水野氏)。一見、バラバラのような分野を「つなぐ」ことで、どのような価値が生み出されるかを考え、実現する。それがR&D部門だ。

異なる事業を融合し、新たな価値を創造する

 松下電器産業の強みは、大きく分けて2つある。1つは技術力。家電に搭載する低スペックのCPUで十分なパフォーマンスとセキュリティを実現し、電力消費量を抑えるのは並大抵の技術ではない。現在もその技術力を生かし、高画質のテレビ番組などを安全・確実にデリバリーするIPネットワークの研究開発に余念がない。

 もう1つは、「くらし」を中心に、多角的に事業を展開していること。R&D部門の重要なミッションのひとつは、各事業部で展開している商品に対し、「これとこれを結び付けたらどうなるか」という水平的な視点で、技術統制をしながら新たな未来を開発することにある。水野氏は「お客さまや社会が求める多様なニーズを分解していくと、必ず当社の事業のどこかには行き着く。重要なのは、そうしたニーズをくみ取って有機的につないでいくという発想と技術なのです」と語る。

 テレビを中心とする3Dバリューチェーン、そしてユビキタスネットワーク社会の実現に向け、現在どのような開発が行われているのだろう。研究開発における大きなテーマは3つある。1つが「ユニバーサルデザイン」の実現。子どもから高齢者まで、まさにいろいろな年代の利用者を対象とする「くらし」のアイテムでは、誰にとっても使いやすいことが必須条件だ。また、「誰でも」という思想こそがユビキタスを構成する要素といえる。

 次に「High Definition」。プラズマ/液晶テレビ「VIERA」シリーズや、デジタルカメラ「LUMIX」シリーズでは、すでに画面縦横比16:9の高画質を実現している。コンテンツの臨場感や迫力を再現することで、エンターテインメントの世界を広げていく。

 最後に「コンテンツデリバリー」だ。今後、IPネットワークの上をコンテンツが流れ、好きな時に好きなコンテンツを楽しめる「ビデオ・オン・デマンド(VoD)」の世界がやってくる。実際、家電メーカーなど5社と共同でテレビセントリックという考え方を打ち出しており、安心・高速でパフォーマンスの十分なIPネットワークの開発に注力している。

 松下電器産業 コーポレートR&D戦略室の今井裕之氏は言う。「家庭の中で安定したネットワークを実現し、つつがなくエンターテインメントやコミュニケーションを楽しむことができる。それには、大容量コンテンツの配信や処理を同時に行う強固なエンジンが必要ですし、セキュリティ上の問題も解決しなければなりません。実際、課題はたくさんあるのですが、根底に『こうだったら、もっといい』という発想があるから頑張ることができる。それがR&Dの醍醐味(だいごみ)だと思います」


松下電器産業 コーポレートR&D戦略室 今井裕之氏

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提供:松下電器産業株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年10月24日

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