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タワレコが自宅にやってきた――「ナップスタージャパン」を試すレビュー(1/3 ページ)

国内初の定額制音楽配信「ナップスタージャパン」が開始された。サービスとしては後発だが、「聴き放題」という言葉のインパクトは強い。早速利用してみた。

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 国内初の定額制音楽配信サービス「ナップスタージャパン」がいよいよ開始された。音楽配信サービスとしてはMoraやiTunes Storeを追う格好となる後発サービスだが、「聴き放題」という言葉のインパクトは強い。10月3日にサービスインしてちょうど1週間、早速利用してみた。

「Napster」をめぐるアレコレ

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 実際の記事に入る前に、言葉としての「Napster」について触れないわけにはいかないだろう。元来、Napsterとはファイルシェアリングソフト(システム)の名称であり、1999年の発表以来、その使い勝手のよさやファイルの実体を一元管理するホストサーバを必要としない利便性から爆発的に普及した(ファイルの実体はあくまでも利用者のローカルHDDに存在しており、Napsterのサーバはお互いのリクエストのみをやりとりする)。

 しかし、その利便性の高さは一説にはやりとりされるファイルの90%が著作権的に問題のあるファイルとも言われる状況をも生み出してしまい、2000年7月にはRIAA(全米レコード工業会)などが運営する米Napsterを提訴(RIAJ:日本レコード協会も邦楽ファイルの削除を要求した関連記事)した。その後の裁判で米Napsterは敗訴し、結果としてP2PファイルシェアリングとしてのNapsterは事実上、そのサービスを停止した。

 そのまま「Napster」の名称は消えていくかと思われたが、米Roxioが米Napsterを買収。社名も「Napster」に改め、2003年5月に定額制を目玉とした音楽配信サービス企業として再出発した。日本国内にもファイルシェアリングソフト「Napster」の利用者は少なからず存在していたかと思われるが、2005年夏に黒船とも称された「iTunes Store」(当時の名称はiTunes Music Store)が開始されても、音楽配信サービス「Napster」は提供されてこなかった。

 その状況が変化したのは2005年8月。米Napsterがタワーレコードとの合弁企業「ナップスタージャパン」を立ち上げるとアナウンスしたのだ(関連記事)。新会社は2006年春にサービスを開始するとしていたが、半年遅れ、ようやく2006年10月にサービスが開始された。

月額1280円で150万曲聴き放題

 前置きが長くなったが、「Napster」が音楽配信サービスを国内で開始するまでの経緯を簡単に説明するとこのようになる。開始された国内サービスにおいても、最大の目玉は月額1280円からの定額制だ。

 本サービスでは3つの購入方法を提供している。定額制に対応し対応ポータブルオーディオプレーヤーへの転送も可能な「Napster To Go」、定額制に対応はするがダウンロードしたPCのみでのリスニングとなる「Napster Basic」、既存サービスと同じくファイル(楽曲)単位の販売である「Napster a la carte」だ。それぞれの料金は以下の通り。

サービス名称 料金 プレーヤー転送
Napster To Go 月額1980円
Napster Basic 月額1280円 不可
Napster a la carte 1曲150円より

 そのいずれを利用するにもまずは専用のクライアントソフトをナップスタージャパンのサイトから入手する必要がある。対応OSはWindows 2000/XPだが、Napster To Goのサービスを使いたい(=ポータブルオーディオプレーヤーへ転送したい)場合には加えてWindows Media Player 10のインストールが必要となり、対応OSもWindows XPに限られる。

 ダウンロード後、アイコンをクリックするとインストーラーが起動する。利用条件と使用許諾契約書に同意すれば程なくしてセットアップは終了する。インストール時のオプションとして回線速度とダウンロードした楽曲ファイルの置き場所なども指定できる(デフォルトでは回線速度はケーブル/DSLなどの高速接続、置き場所は“C:\Documents and Settings \ ユーザー名 \ My Documents \ My Musicとなっている)。

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インストール画面。10月10日現在に配布されているクライアントソフトのバージョンは3.7.3.9

 初回起動時には利用に際して必要なユーザー名やパスワード、メールアドレスのほか、利用するコースや支払い方法などをここで入力する必要がある。専用プリペイドカード「Napsterカード」を利用する際のコード入力もここから行える(コード入力はログイン後にも行える)。そうして起動するのがこの画面だ。今回はフルサービス「Napster To Go」にトライアル入会してみた。

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起動直後のメイン画面

 「ホーム」画面には新着が表示される「ニューリリース」や、「TOP10ダウンロードトラック」「特集」「トピックス」「プレイリスト」「チャンネル」などの項目が用意される。画面上には検索窓やファイルブラウザの起動ボタン、右肩には再生中楽曲のアートワークを表示するスペースも設けられている。

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