「目指したのは“発見”のある音楽生活」――新ウォークマン&ネットジューク(後編):インタビュー(2/2 ページ)
前回に続き、ソニーへ新しいウォークマンとネットジュークについて聞く。ネットジュークが目指したのは、“発見”のある音楽生活だった。
ミニコンポから提案する「PCレス」
――ウォークマン企画担当の伊藤氏は新製品群のコンセプトの1つとして「PCレス」を挙げていますが、ネットジューク側ではどのようなアプローチで「PCレス」に取り組んでいるのでしょう。
瓜谷氏: ハードウェア的なアプローチとしては、ウォークマンを接続しやすいようにネットジュークの上部に設置できる接続用スタンド(「BCR-NWS700」:別売)を用意しました。
ネットジュークからウォークマンへの持ち出し(転送)についても、選択中のアルバム/楽曲をそのまま転送する「通常転送」と、接続されたウォークマンへ最後に転送した時間よりもあとに本体HDDへ録音された楽曲だけを自動的に選んで転送する「かんたん転送」を用意しました。
もちろん、「おまかせチャンネル」をそのままプレイリストとしてウォークマンへ転送することもできますし、“スポーツウォークマン”(NW-S203F)用にランニング/ウォーキングのプレイリストを作成することできます。
「オーディオ機器のネットジューク」が目指すもの
――音質面ですが、意図した音の味付け、方向性というものはあるのでしょうか
瓜谷氏: 若年層ユーザーが好みそうな“若い音”は目指していません。ソースで言えばジャズやクラシックなどを、リビングで快適に楽しめる音質を狙っています。
前モデルのユーザーを対象に調査したところ、ユーザーのコア年齢層が40〜50代だったということもありますが、既存シリーズ製品から大きく音の方向性は変えてはいません。
――「ネットジューク」という製品名だけを見ると、高度にネットワーク対応の進んだ製品である印象も受けますが、ネットジュークにとって“ネットワーク”はどのような存在なのでしょう。
瓜谷氏: ネットジュークに限らず、ネットワーク家電といわれる製品のすべてがネットワークに接続されているわけではありません。それが現状では、ネットジュークをあくまでもオーディオ機器だと考えていますし、ネットワークが不可欠な機器にするつもりもありません。
ただ、将来的な話をすれば、その位置付けが変わることもあると思います。その時々に応じたアプローチをしていくつもりです。まずは「音楽を聴く楽しさ」をどれだけネットジュークで追求できるかを考えていきたいと思っています。
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