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データビューワになる薄型デジカメ――カシオ計算機「EX-S770」レビュー(2/5 ページ)

カシオ計算機「EXILIM CARD EX-S770」は、同社の薄型スタイリッシュ機の最新作だ。従来から受け継いだ様々な撮影機能に加え、パソコン上のデータを転送して持ち運べるデータキャリング機能を新搭載した。

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 この「データ・トランスポート」は単体で起動するソフトではなく、プリンタドライバのようなソフトである。プリントする代わりに、データをJPEG出力しEX-S770に転送する仕掛けだ。転送したデータは、撮影画像とは別のフォルダに自動保存される。

 画像サイズは、VGAから10メガ相当までの5段階を選択でき、カメラ上で拡大再生できるので小さな文字も読み取れる。ウェブの1ページを転送するのにかかる時間は数秒程度で、紙に印刷するよりはるかに手っ取り早い。

 もうひとつのソフト「フォト・トランスポート」も同じくデータをJPEG変換して転送できるが、使い方が異なる。フォト・トランスポートでは、表示中のパソコンの画面を範囲指定し、特定の部分のみを取り込める。

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再びアイティメディアの会社概要のページをIEで表示。そして「フォト・トランスポート」を起動すると、画面の右上に小さなウィンドウが開く
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ウィンドウ内のキャプチャボタンを押してから、取り込みたい部分をドラッグして囲む
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プレビュー画面を確認し、「はい」をクリックすると転送が完了
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カメラの再生ボタンを押し、転送したデータを表示した状態。「フォト・トランスポート」で取り込んだデータは、撮影画像と同じフォルダに保存される

 ウェブの1ページの情報が多い場合には、ページ単位で転送する「データ・トランスポート」よりも、任意の部分のみを転送できる「フォト・トランスポート」を使ったほうが便利だろう。上の例のように、住所と電話番号、地図の部分だけを切り取ってカメラに取り込める。

 また「フォト・トランスポート」のボタンの上に、JPEGやBMPファイルをドラッグ&ドロップすることで、画像を自動的にリサイズし転送することも可能だ。例えば、これまでにほかのデジカメで撮ったお気に入りの写真をEX-S770に取り込み、持ち運んで人に見せるといった活用法が考えられる。

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「フォト・トランスポート」の画面の左にあるボタンの上に、JPEGまたはBMPファイルを直接ドラッグ&ドロップして転送もできる

 さらに「T-Time 5.5.7 for CASIO」を使えば、拡張子「.book」や「.ttz」の電子本、またはテキストやHTMLファイルをJPEGファイルとして書き出し、カメラに転送できる。この電子本をデジカメに書き出す機能は、ボイジャーの「T-Time」がもともと実現していた機能で、それがEX-S770の液晶サイズに合わせて最適化されている。

 標準モードの場合、電子本1ページの容量は数十キロバイト程度。ここで試用したサンプルの「古典落語(上)」の場合、215ページとなり、ファイル容量の合計は約14Mバイト。カード容量を圧迫するほどではないし、最近は大容量のSDカードが安価になっているので問題はないだろう。

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サンプルの電子本を表示した状態。JPEGファイルとして転送されるので、検索や付箋などの機能は使えないが、小さなルビもちゃんと読める視認性がある

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