今年オススメの最新DLPホームシアタープロジェクター(後編):DLPプロジェクターの賢い選び方(2/2 ページ)
今年、狙いのDLPプロジェクターを賢く選びたいユーザー必見の短期連載。AV評論家の小原由夫氏と本田雅一氏の対談も佳境に入ってきた。最終回は、大幅に買いやすくなったフルHD DLPプロジェクターの“賢い選び方”を、小原氏と本田氏が分かりやすく紹介する。
――フルHDの各機種に関してはどうでしょう?
本田: 1080p対応機に関しては、現在発売されているものは個々に特徴的で、実はあまり競合しないのかもしれないと思っています。たとえばマランツ「VP-11S1」は階調優先で輝度のレンジ感はあまりありませんが、実に滑らかで落ち着いた映像を出します。一方、シャープの「XV-Z21000」。これはもっとパワフルなイメージ。でもZ3000よりもさらにナチュラルになって、シャープなりのキレ味やメリハリは残っています。実にクリアな映像で、個人的にはこの年末、一番の驚きでした。オプトマはきちんと視聴評価していませんが、ベンキューのW10000は前述したように価格対ポテンシャルという意味では注目の存在です。
小原: さらに内蔵するビデオプロセッサの違いなのか、質感の表現が違うんですよね。特にDVD再生で顕著に特徴が出ます。シャープとマランツは筐体を従来の機種から流用していますが、それ故に価格的にも今の値段を実現できているのだと思います。
本田: マランツに関して付け加えると、通常イメージするDLPの画質とはちょっと違う。暗部をドスンと沈めて、白ピークを伸ばすのではなく、シャドーから中間調、中間調からハイライトへの階調をきちんと見せてあげよう。そんな意図を感じます。ガンマのデフォルトはちょっと暗部の見通しが悪いのですが、プリセットのガンマカーブが上手に作ってあるので、カスタム設定で合わせ込むといい。
――シャープのZ21000に関して小原さんはいかがですか?
小原: 数多くのパラメータでいかようにも映像をコントロールできるところがいいですね。旧モデルユーザーならばリプレースも容易に設計しています。焦点距離がやや長いのが難点ですが、その分、レンズはとても高解像度でキレがいい。
本田: S/N感がいいのに、輪郭描写が実にシャープでピッとエッジが切れるように描写される。この部分は本当に凄い。以前ほど赤の発色にクセはありませんし、普通に選べるという印象です。
小原: そう。シャープの良さはS/N感の良さですよね。小手先の調整とフルHDパネルだけで改善するのではなく、本当の意味で画質が良くなった。ツボを得たシャープ新画質という感じです。また、HDMIが2系統ありながら、別にDVIも1系統残っています。これは隠れたセールスポイントですよ。
――アバック主催の商談会で各DLP機のシュートアウトも見ることができますね。どんなところに気をつけて見るといいでしょう?
本田: シュートアウトの環境では、どうしても周囲の光源もあってコントラストが低くなりますから、黒の浮きや迷光による色純度の低下などを頭の中で織り込んで評価しなければならないですね。
小原: シュートアウトはちょっと見て、どの絵が一番好みかを探すのにはイイですから、まずはそこで好みの絵を出す製品を絞り込むといいでしょう。その後、気に入った製品を個別展示のところでゆっくり見て評価するといい。またレンズの性能に関しても、フォーカスを追い込んだりしながら、画面の隅々まで近寄って見たい。
本田: こうしたイベントでは映画中心にプレイされていますから、音楽モノの映像が好きな人は、ビデオ系の素材も持って行き、どんな風に見えるかを確認するといいと思います。声をかければ好みのソフトで確認させてくれます。高額な製品ですから、そうした細かな点もきちんとチェックしておきたいですね。
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ボーナス前に読んでおこう! DLPプロジェクターの賢い選び方
DLPホームプロジェクターは、価格面でも画質の面でも、全く新しい局面に入っている。分かりやすい解説で“DLPの今”を把握し、気鋭のAV評論家2人の対談を読んでこの冬“買い”のDLPホームシアタープロジェクターを見つけてみよう。
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