“ソニー対キヤノン”の軍配は? HDVカメラの最新2機種を比較する(前編):HDVカメラレビュー「HDR-HC7」vs.「iVIS HV20」(3/3 ページ)
新入学シーズンに向けてリリースされた、ソニーのハイビジョン・ハンディカム「HDR-HC7」と、キヤノンのHDビデオカメラ「iVIS HV20」は、今後、家庭用HDVカメラ市場を牽引していくことになるライバルどうしだ。この2機種の使い勝手、撮影画質などを比較してみたい。
製品構成はよく似ているが、比べてみれば、やはり長所・短所に違いはある
2つの製品を並べてみると、デザインは好みによるにせよ、表面コーティングや、細かい部分の素材の違いから、「iVIS HV20」のほうが若干チープな印象だ。端子類のカバーも「HDR-HC7」のほうが全体に硬質なものになっている。また、グリップ感に関しては、ユーザーの手の大きさにもよると思うが、(手がやや小さい)自分には「HDR-HC7」のほうがしっかりとつかめた。「iVIS HV20」はストラップに頼る比重が大きい感じだ。
電源投入から撮影までの操作は、各社製品でおなじみの流れとなる。まず、「HDR-HC7」はダイヤル式の電源スイッチを「入」へ回すと電源オン。起動時は「撮る・テープ」で、さらに「入」の方向に繰り返し押し込むと、「撮る・メモリー」「見る/編集」へ順に切り替わる。「iVIS HV20」はダイヤル式の電源スイッチを左に回すと「カメラ」、右に回すと「再生」モードで起動。記録/再生メディアの切替は、本体右のスライドスイッチで行う。
では、撮影開始までにかかる時間はどうだろう? 電源投入とともにスタートボタンを押すと、いずれも約9秒後に録画が始まり、テープが回り出した。
左がHDR-HC7、右がiVIS HV20。電源スイッチは同じダイヤル式だが、操作方法はまったく違う。また、HC7の場合はHV20と異なり、各スイッチの位置でモードを視認できないので、インジケータが用意されている
さて、細かい比較などは後編で紹介するのだが、撮影画像を1組だけ入れておこう。これは色合いの違いを確認するために、静物サンプルをビデオ撮影し、静止画に変換したものだ。まず、双方ともオートモードで撮影してみると、以下のような結果である(以下すべて、左がHDR-HC7、右がiVIS HV20)。
このままでは実際の目で見た色合いとは少し異なるので、ホワイトバランスを太陽光または屋外に設定してみると、ともにかなり近くなった。
映像全体で比較すると、「HDR-HC7」は少しつくりすぎかなと感じてしまい、「iVIS HV20」のほうが自然かつ発色もいい。ただ、1つひとつの球を見ていくと、手前の赤や紫などは「HDR-HC7」のほうが微妙な色を表現できていると思う。
ついでに、これは決して競合する機能ではないのだが、各々で「x.v.Color」「シネマモード」を適用した場合の映像を掲載しておこう。
x.v.Colorモード(HDR-HC7)ではさらに“濃い”感じだが、赤球などはこれが最も実際の目視に近い色合いだ。また、シネマモード(iVIS HV20)のほうは当然ながら実物とはやや異なり、ディティールも控えめになるが、やはり雰囲気があるとともに、橙球などはすべての画像の中でも一番バランスよく描けていると思う。
「後編」では、タッチパネル vs. ジョイスティック双方の使い勝手、ズームレバーやカメラコントロールリングの操作感など、ユーザーインタフェースにフォーカスして比較検証してみたい(2月23日掲載予定)。
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