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HDムービーカメラ「GZ-HD7」「DMX-HD2」2機種を試す(後編)レビュー:日常を撮るならカジュアル派、それとも本格派?(2/3 ページ)

前回に引き続き、日本ビクターのHDDムービー「Everio GZ-HD7」と、三洋電機のSDムービーカメラ「Xacti DMX-HD2」の2機種を比較する。今回は撮影後の動画の活用手段、および、撮影サンプルを紹介していこう。

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本体の編集機能と新たに装備したHDMI端子で、単体でも十分に使えるXacti

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再生は1枚ごとの表示が基本となり、静止画なら比較的素早く(1秒弱)次の映像へ切り替わるが、動画の場合は2秒ほどかかる。ズームスイッチをW側に倒すと、9画面マルチ再生となる

 三洋電機「DMX-HD2」は、記録メディアにSDカード(8Gバイト SDHCメモリーカードにも対応ずみ)を採用している。初代の「DMX-HD1」が登場した際には、本体価格はともかく、さらに大容量SDカードの追加購入が必須となるため、金額面で厳しいと感じた人もいたかもしれない。しかし、現在では4Gバイトはもちろんのこと、8GバイトのSDHCカードでも(ノーブランドでよければ)驚くような低価格で入手可能だ。

 最高品質のHD-SHQモードは解像度1280×720・ビットレート9Mbpsで、1Gバイトあたり約15分の動画撮影が可能だ。ほかには、6MbpsのHD-HQに加えて、SD品質のTV-SDV(720×480・3.5Mbps)、TV-SHQ(640×480・3Mbps)、TV-HQ(640×480・2Mbps)も用意。また、ネット公開向けの形式として、320×240のWeb-SHQ(30fps)、Web-HQ(15fps)がある。音声はステレオで、サンプリングは48kHz/16bit、圧縮方式はAACだ。

 撮影した動画は.MP4ファイルとして、静止画と同じフォルダへ保管される。SDカード経由でPCにデータを直接読み込むなら、QuickTimeを利用するか、あるいは、VLC Media Player(フリーのメディアプレーヤー)などを使って再生すればいい。もちろん、ドッキングステーション経由でPCとのUSB接続も可能だ。また、付属ソフトウェアとして、静止画および動画の管理・閲覧が可能な「Ulead Photo Explorer 8.5 SE Basic」、ビデオ編集やDVD作成を行える「Ulead DVD MovieWriter 5.0 SE」も同梱されている。

 ただ、「DMX-HD2」では基本的な編集機能も搭載しており、本体上でも動画クリップの不要な部分だけをカットしたり、複数のクリップをつなぎ合わせられる。カット編集は始点・終点を指定し、「選択した部分を残す」、あるいは「選択した部分の削除」が可能だ。実行する前に結果のプレビューもできる(当然ながら、前処理にある程度の時間はかかる)。また、つなぎ合わせる場合は最大9個までのクリップを選べるが、動画モードの違うクリップどうしは連結できない。

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本体での動画編集は、再生モードでMENUボタンを押し、再生設定画面を呼び出して実行する。「カット」と「つなぎ合わせ」が可能
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カット編集時の操作はほとんどすべてを十字キーで行うため、少しややこしい。上で指定対象(始点・終点)の切り替え、下で「選択した部分を残す」「選択した部分の削除」を選び、一時停止中に左右へ倒すとコマ送り、長く(約2秒)倒すと標準(または逆)再生となる。また、再生中に左右へ入れると、早送り・早戻しが可能

 ドッキングステーションへのHDMI端子の装備は、強化点として意外に大きいといえるだろう。コンポーネント端子を利用した場合と比較して、品質に際立った差が生じるわけではないが、運用面ではずいぶんと楽だ。もちろん、テレビへドッキングステーションを常に接続したままという使い方であれば、特に変わらないともいえるが。

 HDMI端子の出力信号は、コンポーネントと同じく、720pまたは480pのみを選択可能。1080i/pへのアップコンバート機能は用意されていない。いずれにせよ、記録方式自体が1280×720/30pなため、「GZ-HD7」やHDVカメラからの出力と比較すると、やはり差を感じてしまう。ただ、動きには思ったほど違和感はなく、むしろ、HD品質をうたうからには、もう少し1枚1枚の解像感に切れがほしいところだ。

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ドッキングステーションには、HDMI出力、コンポーネント出力(D端子ケーブルが付属)、USB端子(AV出力兼用)、電源出力が装備されている
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再生設定画面や撮影設定画面から呼び出せるオプション画面には、システム関係の設定が用意されている。テレビ出力ではHDMIおよびコンポーネント出力を、720pまたは480pに設定できる

 また、音声に関しては、個人的に使用してきた三洋電機「DSC-MZ3」やキヤノン「PowerShot S80」の実体験から、動画デジカメの音声にはまったく期待していなかったのだが、「DMX-HD2」は少なくとも実用的なレベルには達していると感じた。もちろん、一般的なビデオカメラと比較すれば、音質・広がりとも平板な印象にはなるが、必要な音はしっかりと拾ってくれ、ステレオ感もそれなりにある。


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