富士通、業界初のフルHD対応H.264エンコード/デコードチップ
富士通はフルHD映像をH.264(MPEG-4/AVC)でリアルタイムデコード/エンコード可能なLSI「MB86H51」のサンプル出荷を開始する
富士通は5月21日、フルHD映像をH.264(MPEG-4/AVC)でリアルタイムデコード/エンコード可能なLSI「MB86H51」を7月1日よりサンプル出荷開始すると発表した。サンプル価格は3万円。
同社のHD対応H.264リアルタイムデコード/エンコードチップ「MB86H50」をベースに、フルHD対応を果たした。対応する解像度は1920×1080(60i/50i)、1440×1080(60i/50i)、1280×720(60p/50p)、720×480(60i)、720×576(50i)で、H.264のハイプロファイル(Level 4まで)に対応するメモリ内蔵型チップとしては業界初(同社)の1チップ製品。
メモリは256MビットFCRAMを2個搭載しており、オーディオは2ch。MPEG-1 Audio Layer2のほか、リニアPCM/MPEG-2 AAC/ドルビーデジタル(AC-3)に対応する。人が見て画質劣化が気になりやすい部分を認識/追跡し、該当部分の圧縮率を下げながらも、それ以外の部分は圧縮率を上げるという独自の圧縮制御技術を実装しており、MPEG-2に比べて同等の画質ながらもデータ量を1/2から1/3程度に減らすことを可能としたという。
同社ではデジタルビデオカメラやHDDレコーダーといった民生機器のほか、監視カメラや放送機器などの業務用機器まで幅広い分野への搭載を狙う。なお、本製品は5月22日よりドイツで開催される放送機器に関する展示会「ANGA cable 2007」にてデモ展示が行われる予定。
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