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コピーワンス、「1世代のみでコピー9回」実現の可能性高まる
情報通信審議会が総務省へ、コピーワンスについては、1世代のみで最大9回までコピー可能とするのが適当、などとした答申を提出した。“COG+9”が実現する可能性が高まった。
総務省の諮問機関である情報通信審議会は8月2日に総会を開催し、「デジタル放送のコピーワンスについては、最大9回までコピー可能とするのが適当」などとの提言を盛り込んだ答申をとりまとめ、総務省へ提出した。
審議会での方針がほぼそのまま総務大臣への提言となった格好であり、コピーワンスの次のルールは、「1世代のみのコピーが最大9回まで」となる公算が高くなった。
答申は現行のルール(コピーワンス)について、「在り方を改善することは必要不可欠」と表現し、基本的な方向性としては1世代のみのコピー(Copy One Generation)に「一定の制限」を加えることが適当であると述べている。
その「制限」であるコピーの回数については、「1人の視聴者が1つのデバイスに記録できるコンテンツの数は1つと考える」「1人の視聴者が持つ録画可能機器の数は3個を上限として考える」「1世代の視聴者数平均は3人程度と考える」と仮定して、3デバイス×3人で9、つまり、オリジナル録画のほかにコピーは9回までという論理を展開している。
この方針が最終決定すると録画機器への影響は避けられないが、本答申書では方針について「(関係各社の参加を得、時間をかけて)議論を尽くした結果」としており、「当審議会の提言を踏まえた取組を、本年中を含め可能な限り早期に実行に移すよう、改めて要請する」としている。
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