電話抜きiPhoneの「touch」、動画「nano」、大容量HDD「classic」――iPodが全ラインアップを改訂:速報
iPhoneは大幅値下げされ、「iPod touch」の投入で米国以外でもマルチタッチインタフェースとSafariが使えるようになった。「iPod classic」のHDD容量は160Gバイトまで引き上げられた。
米Appleは米国で開催されたスペシャルイベントで、iPodの新ラインアップを発表した。新しいiPod nanoは動画対応と同時に液晶ディスプレイが大型化し、デザインは縦方向に縮まった。従来のビデオiPod(第5世代iPod)は「iPod classic」としてさらにHDD容量を大容量化し、最大160Gバイトに。そしてiPhone同様のマルチタッチインタフェースを備えた全面液晶モデルの「iPod touch」も投入された。
この新展開によってiPodファミリーは、iPod shuffleの液晶なしボタンのみ、iPod nanoとiPod classicのクリックホイール、iPod touchおよびiPhoneのマルチタッチという3種類のユーザーインタフェースを備えることになった。
iPod touchは、iPhoneと同様に前面には3.5インチのタッチパネルディスプレイとHomeボタンのみを備え、802.11b/gのWi-Fiネットワーク接続機能を備える。Wi-Fiを使ったアプリケーションとしてはWebブラウザのSafariやYoutubeを搭載している。カレンダーやアドレスブック、電卓、時計などのPDA的機能も備えている。
記録デバイスはHDDではなくフラッシュメモリ。8Gバイト版と16Gバイト版を用意する。価格は299ドルと399ドル。9月中に発売を予定している(日本のアップルストアによる価格は8Gバイト版が3万6800円、16Gバイト版が4万8800円で9月28日出荷予定)。バッテリー持続時間は動画再生時が5時間、音楽再生時が22時間。重量は120グラム。
iPodへのWi-Fi機能搭載に合わせて、Appleは「iTunes Wi-Fi Music Store」もサービスインする。日本を含むiTunes Store対応の地域すべてで利用可能になる。このサービスを利用すると、iPod touchおよびiPhoneから音楽を購入して直接デバイスにダウンロードすることができる。購入した楽曲は、次回にDock接続したときにiTunes側に同期されるという仕組みだ。
従来型iPodの延長線上にある「iPod classic」は最大容量を2倍に引き上げ、HDD容量は80Gバイトと160Gバイトとなった。価格はそれぞれ249ドルと349ドル(日本のアップルストアでは、価格は80Gバイト版が2万9800円、160Gバイト版が4万2800円)。最長バッテリー持続時間は動画で7時間、オーディオが40時間となった。
新しくデザインされたiPod nanoは、iPod touchと同様にCover Flowインタフェースを備え、動画再生が可能になった。ディスプレイは従来の1.5インチから2インチにアップし、解像度も320×240ピクセルとなった。フラッシュメモリの容量は4Gバイトと8Gバイト。レッド、ブラック、シルバー、ブルー、グリーンの5色を用意する。バッテリー持続時間は動画で5時間、オーディオが24時間(従来と変わらず)。価格は4Gバイト版が1万7800円、8Gバイト版が2万3800円。
また、iPhoneは「ほとんどが選んだ」という理由で8Gバイトのみになり、価格は599ドルから399ドルに引き下げられた。
iPod shuffleにはカラーバリエーションの変更が行われた。オレンジがラインアップから外れたが、アフリカの疾病を救済するチャリティーモデルのProduct(red)が追加された。価格(9800円)やサイズ(幅41.2ミリ×高さ27.3ミリ×厚さ10.5ミリ)は従来通り。
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