第81回 超望遠と眺望の関係:今日から始めるデジカメ撮影術(3/3 ページ)
最近では「18倍ズーム」なんていうコンパクトデジカメが登場し始めている。それだけの超望遠だと、何をどんな風に撮れるのだろうか。というわけで、いろいろ撮って遊んでみました。
夕暮れや夜を超望遠で
超望遠で撮ると楽しい、あるいはいつもとは違う視点が新鮮な被写体ってすごくたくさんある。
その中からひとつ、「夕刻から夜」というテーマを選んでみた。
夜はどうしてもシャッタースピードが遅くなる。望遠になればなるほどブレが目立ちやすくなるので、夕刻の望遠撮影ってなかなか難しい。
でもちょっとした工夫でなんとかなるのである。ちなみに今回の写真は全部三脚なし。手持ちかあるいは、手すり、フェンスの隙間にレンズを置く、などブレにくい工夫をして撮ってある。
夕暮れの富士山。空が赤く染まった富士山を東京から撮影。1/40秒。たくさん撮った中の1枚。手ブレ補正付とはいえ、さすがに1/40秒を普通の手持ちで撮ったらブレやすいから。
まさに沈まんとする夕日をビル越しに。これは手ブレの心配なし。夕日が赤くなるよう-1の露出補正をして撮影。太陽の撮影はしちゃいけない。目にもCCDにもよくない。このくらいの夕日ならなんとかという感じ。これでも夕日が明るすぎるため、カメラの性能ぎりぎりでやっと撮れた。
太陽が隠れたあとの雲。夕日の決め手は雲。雲の端に夕日が透けているのが美しい。これも露出補正-1。マイナスの補正をかけた方が色がきれいに出るしシルエットもくっきりと出る。
これもかなり明るいので手ブレの心配はなし。
夕日がきれいな日は後ろを振り返ってみよう。ビルに反射する夕日もまた乙なものだ。超望遠で夕日が反射した窓を狙って撮影した。
さあ本格的に暗くなってきた。
そうなると撮る方にも工夫が必要だ。ISO感度を400にあげ、カメラがブレないようその辺の台などに固定し、左手を添えて構図を調整して何枚も撮る。そしてうまくいったものを残す。
お台場から見たレインボーブリッジと対岸のビルと夕焼け。望遠ならではの夕景写真である。赤みとシルエットをきれいに出すために-1の補正をかけて撮影した。
もっと暗い状況でレインボーブリッジ越しに東京タワー。こちらはシャッタースピード1/7秒。ブレずに撮るのはかなり困難なシチュエーションだったけど、そこはもうカメラをがんばって固定してそっと撮る。適当な台にカメラを置き、手近なものをレンズの下に添えて角度を固定し、セルフタイマーで撮るというのも手。
夜の渋滞した首都高を超望遠で。これはもうクルマのヘッドライトが写ればいいので、クルマはシルエットだけになるよう-2の露出補正をかけて撮影。
夜はマイナスの露出補正を上手に使うのが基本。そうすると少しはシャッタースピードを稼げるし、夜らしい漆黒感が出る。
最後は一番簡単な誰でも撮れる夜景といこう。
月である。DMC-FZ18+テレコン+EZズームだとここまで月をでかく撮れる。露出補正は-1。月を普通に撮ると、空の暗さに影響されて露出オーバーになり、月の模様が見えなくなり、シャッタースピードが落ちてブレやすくなる。
マニュアル露出で撮るなら、ISO200で1/160〜1/200秒くらいを目安に調整しながら撮る。月は逃げないからセッティングを変えて何枚も撮ればいい(逆に夕日はすぐ逃げちゃうから難しい)。それなら手持ちで普通に撮れる。
普通に月を撮っても面白くないので手前に松の枝をいれてみた。
月ってすごく遠くにあるし、夜だし、撮る前に諦めちゃう人が多いみたいだけど、実は晴れた日の満月は意外に簡単なのだ。
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