ソニーは10月1日、表示装置に有機ELパネルを採用した薄型テレビ「XEL-1」を12月1日より販売開始すると発表した。画面サイズは11V型で、価格は20万円。
同社は以前より有機ELディスプレイの研究開発を進めており、今年1月のInternational CESに11V/27V型の有機ELディスプレイを展示。4月の「国際フラットパネルディスプレイ展」では、同社取締役 代表執行役 副社長の井原勝美氏が「年内商品化」を明言するなど、市場投入に向けた準備が着々と進んでいることをうかがわせていた。
発売される「XEL-1」は11V型の有機ELパネル「ORGANIC PANEL」を搭載し、解像度は960×540ピクセル。有効画面サイズは251(幅)×141(高さ)×287(対角)ミリ。自発光方式でバックライトなどの別途光源を必要としないため、最薄部約3ミリという薄さを実現している。
コントラスト比(全白/全黒比の暗所コントラスト)は100万:1以上にものぼる。この100万:1は測定器限界から導き出される数値であり、実際にはさらに高い値になっているという。輝度は600カンデラ/平方メートルで、太陽の反射光やカメラのフラッシュなども美しく表現する。色再現性もNTSC比110%と高い。また、応答速度も「マイクロ秒レベル」と既存薄型テレビとは段違いの能力を持つ。
薄型テレビとしての基本機能は現行のBRAVIAとほぼ同等。3波対応のデジタルチューナーを搭載し、ルームリンクやアクトビラ、クロスメディアバー(XMB)なども備える。台座部分にはHDMI/USB/ヘッドフォン/LAN/アンテナの各端子とメモリースティックスロット、テレビ受信用のロッドアンテナを備える。
スタンドを含む外形寸法は287(幅)×253(高さ)×140(奥行き)ミリ。本体にあわせてデザインされたリモコン「RM-JD014」が付属する。
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