直感操作が魅力――DSC-T2「タッチパネル」(前編):あのデジカメ、ココが気になる
「あのデジカメの“ココ”が気になる」という疑問を解明していくこの連載。第1回目は、ソニーのデジカメ「サイバーショット DSC-T2」のタッチパネルを検証する。
最近、iPod touchを始めとしたいろいろなデジタルグッズに画面を触って操作するタッチパネルが搭載されており、デジタルカメラでもソニーやペンタックスがタッチパネルを備えた製品を発売している。
「あのデジカメの“ココ”が気になる」という疑問を解明していくこの連載。第1回目は、ソニーのサイバーショット「DSC-T2」のタッチパネルを検証してみよう(→レビュー:4万枚の画像を携帯するコンパクトな“T”――「サイバーショット DSC-T2」 )。
デジカメの使いにくさをタッチパネルで改善
ソニーのタッチパネル搭載デジカメは、ちょうど2年ほど前にDSC-N1が登場。その後DSC-T200やDSC-T70そしてこのDSC-T2などが発売されている。DSC-T200/T70は背面にまったくボタンを配置しないという思い切りの良さを見せたが、DSC-T2では背面にはズームレバーとさらに2つのボタンを設けている。1つは電源オフ状態から再生モードで起動するための再生ボタンと、もう1つはスクラップブックボタンだ。
(※初出時、DSC-G1をタッチパネル搭載と記載いたしましたが非搭載です。お詫びして訂正いたします)
DSC-T2の場合はレンズカバーのスライドで電源オンとなるため、シャッターを切る動作と再生の開始を除く通常の操作はすべてタッチパネルで行うと考えていい。インタフェースとしてはDSC-N1以降のタッチパネル搭載機のそれをおおむね継承しており、大きめのアイコンを配置することでタッチしやすいように配慮している。ISO感度をISO80に設定したい場合は、「ISO感度」のアイコンのタッチ→「ISO80」をタッチ→「OK」をタッチという流れになる。
最後の「OK」が冗長にも感じるが、項目を選択してOKボタンを押して決定する、という操作の流れは普通のデジカメと変わらない。いきなり目的の項目(例ではISO80)を選択・決定できないようになっているのは、誤操作の防止や選択時の説明を画面表示するためだろう。
十字キーを使った操作との最大の違いは何か、といえば、それは直感性にある。十字キーだと、カーソルを上下に左右にとに移動させる必要があるため、目的の項目にたどり着くまでに何度かキーを押す必要がある。ショートカット機能を使って十字キーへ機能を割り当てたとしても、1アクションで呼び出せるのは普通は4つまでだ。
しかし、タッチパネルなら画面上にアイコンさえ表示できれば、すべてワンタッチで呼び出せる。これは手軽で分かりやすい。DSC-T2では、マクロ切り替えやISO感度、露出補正といった機能が画面上にアイコンで表示されており、多くの機能をワンアクションで呼び出せる。
DSC-T2には指で触ったところにAFポイントが移動するという機能も用意されている。AFポイントを自由に動かせるカメラはほかにもあるが、十字キーでAFポイントを上下左右に少しずつ動かしていくタイプがほとんどで、あまり使いやすいとはいえない。
しかし本製品は撮影時に画面内の好きなところを指でタッチすれば、そこにAFポイントが移動するので、実に手軽。多点測距だと思い通りの位置にAFポイントがこない場合もあるが、これを使えば思い通りの位置にピントを合わせられる。また、顔検出機能を使うと同時に複数の顔を検出できるが、そのうちのメインとなる被写体の顔を指でタッチするだけで選択できる、というのも直感的で便利だ。
DSC-T2で重要なのが、決して特殊なカメラではないという点だ。タッチパネルを使ったからといって利用者が身構える必要はなく、ボタンでは操作しにくかった部分がタッチパネルの導入で操作しやすくなった、と考えるといい。
タッチパネルを全面的に採用しながら、一般的なデジカメと変わらぬ感覚で操作できる違和感のなさがDSC-T2のタッチパネルの魅力だ。デジカメに慣れている人であれば悩むことなく使いこなせるに違いない。初めてデジカメに触る人だと、アイコンがどんな機能を示すか把握しておかないと直感的な操作は難しいかもしれないが、画面に説明も表示されるので、慣れるまではこれを見ながら操作すればいいだろう。
(後編に続く)
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