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先週のアクセストップはデジタルメディア評論家・麻倉怜士氏による、HD DVD敗因の分析。麻倉氏は記事タイトルの通り、その敗因を3つに分けて解説してくれており、非常に分かりやすい。「その3つ」が何かは記事を参照して欲しい。
HD DVDが“終息”した理由は、それこそ麻倉氏の指摘した3点にとどまらないだろう。東芝の西田社長もコメントしたよう、消費者および業界全体のハイビジョン化を迅速に進めるための大局的な判断という要素も理由に該当するし、HD DVD関連製品の製品化を東芝以外が積極的に行わなかったというのも挙げられそうだ。そう、思い起こせば、HD DVDはオーディオビジュアルの“お友達”を作るのが苦手だった。
2005年のCEATEC JAPAN。東芝と三洋電機がHD DVDプレーヤーの試作機を参考展示したが、三洋電機製品は日の目を見ないままHD DVDは終息を迎えてしまった。HD DVDプロモーショングループには両社以外にも、オンキヨーやD&Mホールディングス(デノンとマランツの親会社)、ケンウッドなどが名前を連ねているが、国内でHD DVDのAV製品を市場へ投入したのは結局のところ東芝だけ。ちなみに、そのCEATEC会場内のBlu-ray Disc Associationブースではパナソニックをはじめ、シャープ、パイオニア、ビクター、三菱電機、日立製作所がBDプレーヤーなどを展示していた。
その後、2006年3月に東芝がHD DVDプレーヤー「HD-XA1」を販売開始することで次世代DVD戦争は本格化したわけだが、ソニーとパナソニック、次いでシャープが対応AV製品を投入してきたBlu-ray Discに比べてしまうと、東芝1社しか製品を投入しなかったHD DVDは明らかに市場での存在感が足りなかった。PCの世界ではマイクロソフトの支持がプラスに作用していた局面も見受けられたが、いずれにせよ、AVの世界での存在感は希薄なままだった。
規格争いの大勢を決める要素はいろいろあるが、「数」は無視できない。そうした意味では対応製品をバリエーション豊かに市場投入できなかった――AV・家電機器メーカーの賛同社数を増やせなかった――のも、HD DVD敗因の理由のひとつとは言えまいか。
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