第92回 外食と食べ歩きの関係:今日から始めるデジカメ撮影術(3/3 ページ)
ブログにアップするだけではなく、食べたモノ記録というほどのものでもなく、おいしそうなものを気軽に写真に残してみよう。今回はそんな話。
お店編
室内で撮るときも光の方向は大事だ。
お店料理の撮影が趣味の人は、お店に入った瞬間、本能的に店内を見渡して、昼間なら窓からの光がきれいに入っている席を、夜なら撮りやすい方向から照明が当たってる席を探すという。
混んでなければ、そういう席に座らせてもらうそうだ。
先日のレビュー記事(みんなが笑顔になるデジカメ――サイバーショット「DSC-W170」)で使った写真だが、これなんかは左側に窓があったおかげで柔らかくいい感じに陰影がついた。
席の正面に窓があると、どうしても逆光になって暗く写ってしまう。
1枚目はオートで撮影。暗かったので2枚目は+1の補正で撮影。でも光の当たり方としては悪くない。ちゃんと露出補正をかけて明るくしてやることで、背景は白くとび、料理の色もちゃんと出る。
左の写真も逆光。左上が白くなってるからよく分かる。そのおかげで、陰影がついて立体感がでてる。逆光は悪くない。右は、遠くの窓から光がほんのりはいるような席で、しかも一眼レフでプラスの補正をかけて、ふわっと撮ってみた。ホテルのレストランっぽい(いや、ホテルのレストランなんだけれども)。
むしろその逆、背中に窓があってどうやっても自分の影が入っちゃう方が撮りづらい。
左は、思いきり自分自身が影になってて撮りにくい例。でもラーメンは1秒でも早く食べたいのであれこれしてるヒマはありません。ちなみにこのお店はラーメンもさることながら、器がきれいな磁器で形もラーメン丼らしからぬ形状でいい。そういうときはちょっと角度を変えて(右)。
真上に照明がぶら下がっているだけの夜のお店も、撮影的には実はあまり楽しくない。
こちらも夜の室内だが、スポットっぽく光があたってくれたおかげで、つややかさが出た。
光は重要なのである。ほのかな光が横か斜め後ろからほわっと当たってるくらいがちょうどいい。
パンとバターとバターナイフをマクロでめいっぱいアップにしてとってみた。左から柔らかい光がきてるので、明るい方に一番小さいバターを、次にバターナイフ、右に大きなパンという並び。これが逆だと、パンの影にバターが入っちゃってよくない。
光の方向と強さを意識しようということだ。
最後はおまけ。人の食べ物ではないのだが(いや、人の食べ物なんだが、食べたのは人ではない)、柿を。
野鳥が中味をたべつくしたあとである。これもちょうどクチバシでつついて空けた穴に日差しが当たっていて無残だけど、妙なまでのさわやかさを感じさせてくれたのでした。
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