第95回 行楽と乗り物の関係:今日から始めるデジカメ撮影術(3/4 ページ)
連休を控えて世間は「行楽シーズン」である。行楽といってもいろいろあるけれども、今回は電車やケーブルカーやロープウエイや船など、いろんな乗り物を楽しむ行楽って感じで撮ってみた。
車窓から撮るときはもうひとつ注意事項がある。それは車内の映り込み。分かりやすい例をひとつ。
ホームのお手洗いを撮りたかったわけじゃなくて、たまたま、停車してるときにいい感じで映り込みありとなしが撮れたというだけなんだけれども、ホームの屋根の上、空のあたりを見ると映り込みの有無がよく分かる。
映り込む条件は主に2つ。ひとつは外より中の方が明るいとき。昼間だとたいてい室内より屋外の方が明るいわけだが、このように「照明」だけは映り込んでしまう。もうひとつは、レンズと窓の間に空間があるとき。この2つをなんとかすればある程度は防げる。
一番簡単なのがレンズを窓にぴったりくっつける。そうするとアングルの自由度は下がるけれど、レンズと窓の間に隙間がなければ(二重窓のときは多少映り込みが発生するが)、映り込みはまず大丈夫。もっとも隙間なくくっつけていては構図にも制限が出るし、撮りたいモノを撮れなきゃ意味がない。
そういうときは、「映り込む光源とレンズの間を何かでふさぐ」のがいい。何が映り込むかわかれば、その間を手近なもの(紙でもなんでもいい)でふさいでやれば、2枚目のように映り込みを解消できるわけである。
これも車内から写真。山の中に鉄橋が見えている。映り込みがないと車窓からでも結構きれいに撮れるのである。
映り込みが防げないときもある。一眼レフやハイエンドのレンズが大きなデジカメなら「PLフィルタ」というフィルタを使って映り込みをある程度防げるが、コンパクトデジカメでお手軽に旅行写真ってときはなかなか無理。そんなときは……あきらめる。映り込みの有無よりは目で見て「撮りたい」と思った光景を残す方が大事。まあ角度やタイミングでできるだけ映り込まないように撮れればよしってことで。
車内(と隣にいた人の手)がちょっと映り込んでいるがそれは勘弁。車内から電車を撮るときは、このように自分が立っている側へ大きくカーブしていく瞬間を狙うべし。
たまたま窓が開いてたら超ラッキーである。決して窓から手やカメラを出さないように。これは開いてる窓にちょっとカメラの端を乗っけて、車外の桜と車内の両方を一発で狙ってみた。
映り込みがない(車内に屋外より明るいものがない)ときはガラス越し撮影も楽しい。ガラス越しだとその分多少画質は落ちるけれども、細かいことはなるべく気にしないってことで。
最後は悪い例を。
ロープウェイから外を撮った図。
ロープウエイならではの見下ろした光景を、ちょうどすれ違うゴンドラを入れて撮影したのだが、こういう窓が湾曲したロープウエイはどうしても窓とレンズの間が開いちゃって映り込みやすい。
よって、派手な色の服を着てるとそれが映り込んで台無しである。まあ、行楽時に映り込みを考えた服装をする人なんていないが、黒い服だともうちょっと目立たなかったのに、とは思っております。
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