“REGZA”Z3500で「アクトビラ ビデオ・フル」を試す:ブラウザの描画速度も向上
東芝が“REGZA”「Z3500シリーズ」のファームウェアバージョンアップを開始。これにより、「アクトビラ ビデオ」および「アクトビラ ビデオ・フル」の動画コンテンツも楽しめるようになった。さっそくアップデートしてみよう。
東芝は4月28日、液晶テレビ“REGZA”「Z3500シリーズ」のファームウェアバージョンアップを開始した。これまでは静止画ベースの情報サービス「アクトビラ ベーシック」だけのサポートだったが、今回のアップデートにより「アクトビラ ビデオ」および「アクトビラ ビデオ・フル」の動画コンテンツも楽しめるようになる。しかも、ブラウザの描画がはやくなるというオマケ付きだ。
Z3500シリーズは、昨年秋に登場したREGZAシリーズのトップモデル。後継機が発表され、店頭価格も手頃になったタイミングでの大きな機能追加は、ユーザーはもちろん、安くなるのを待っていた人たちにも朗報だろう。ちょうど編集部に試用機があったので、さっそくアップデートしてみた。
ファームウェアアップデートは、地上デジタル放送とBSデジタル放送およびインターネット経由で実行できる。放送波の場合は深夜に行われているため、自動アップデートを設定している人なら、今朝テレビのスイッチを入れたら既にアップデートが済んでいるはず。ソフトウェアのバージョンを表示して、末尾が「115-181D」になっていれば、無事に終了した証拠だ。
ダウンロード方法 | 期間 |
---|---|
地上デジタル放送 | 4月28日〜5月4日 0:41〜1:21、2:41〜3:21 |
5月5日〜5月11日 0:36〜1:16、2:36〜3:16 | |
BSデジタル放送 | 4月28日〜5月4日 2:11〜2:31 14:09〜14:29 |
サーバーダウンロード | 4月28日 9:00〜 (随時) |
まだアップデートできていないが、すぐに試してみたいという人は、手動でサーバーダウンロードを実行すればいい。Z3500をインターネット回線に接続した状態で、「設定メニュー」から「機能設定」→「ソフトウェアのダウンロード」を選択。ダウンロード後に「ソフトウェアの更新」を行えば、テレビが再起動してバージョンアップは終了する。操作は画面の指示に従うだけ。回線状況にもよるが、ダウンロードから更新まで十数分もあれば完了する。
ソフトウェアの更新が終了したら、リモコンの「ブロードバンド」ボタンを押して「アクトビラ」を選択。すると、「ダウンロードにより、アクトビラ ビデオにバージョンアップしました」というダイアログが表示され、トップページも変わっていた。昨日まではグラビアなど静止画コンテンツの情報が並んでいた部分に動画コンテンツ関係のナビゲーションが設けられている。
トップページを開くと、Webブラウザの表示速度が速くなったことに気がついた。もちろんPCのブラウザに比べるとまだ遅いが、テレビのファームウェアアップデートで“体感”できるレベルの速度向上が実現できたというのは、ちょっとした驚き。これならコンテンツの一覧表示などでイライラすることはかなり減ると思う。
無料コンテンツも充実
アクトビラは、メーカー主導で作られたコンテンツサービスのため、極力、導入時のハードルを下げている点が特徴。回線の種類は問わず、ISPも限定していないオープンなサービスで、入会金や月額基本料金も不要だ。有料コンテンツを視聴するときだけ、クレジットカードもしくはSmash決済を行えばいい。料金は新作映画の場合で525円。ドラマやアニメはセット料金も用意されているほか、作品のPRを兼ねて第1話を無料で公開しているケースもある。お金を使わなくても結構楽しめるのが嬉しい。
アクトビラのPC用Webサイトにある「スピードテスト」。今回の試聴環境はイッツコム(CATV)のインターネット接続サービス「かっとびワイド」。スピードテストの結果は下り21Mbpsほどで、ビデオ・フルの試聴にも全く問題なかった
ただ、回線速度だけはハードルを下げられない。実際に伝送されるコンテンツは、SD解像度の場合で4Mbps、HD解像度のビデオ・フルは8Mbps。H.264の映像自体は6Mbpsだが、これにAAC音声などを含めコンスタントに8Mbpsの帯域幅が必要だ(推奨環境は12Mbps以上)。
回線速度のチェックには、アクトビラのPC用Webサイトにある「スピードテスト」が便利だ。アクトビラの配信インフラを提供するIIJのサーバを利用しているため、実際のサービスに近い環境で検証できる。一方、テレビしか持っていない場合はコンテンツ購入前に表示されるテスト映像でしか確認できない。できればアクトビラ側でテレビ用のテスト環境も用意してほしいものだ。
最後に画質にも触れておこう。アクトビラ ビデオ・フルは、H.264を動画コーデックに使用しており、前述のようにビットレートは6Mbps(映像のみ)。画質の傾向もH.264録画対応のレコーダーを使って6〜8Mbps程度のフルハイビジョン録画をしたときに近い印象を受けた。つまり、デジタル放送やBDパッケージに比べれば情報量は少ないし、細かいテロップの周囲にはノイズも散見されるものの、解像感はしっかり確保されていて十分鑑賞に耐える。
なにより、ハイビジョンの映像ソースが増え、しかもリモコン操作で手軽に再生できるのは単純に嬉しいもの。Z3500シリーズを使っているなら、ゴールデンウィークに試してみてはいかがだろうか。
関連記事
- アクトビラ、「24」など20世紀フォックスの作品を配信
「アクトビラ ビデオ」で「24」や「ファンタスティック・フォー」など20世紀フォックスの作品が配信開始される。 - 「アクトビラ」に「TSUTAYA TV」が登場
カルチュア・コンビニエンス・クラブは、TSUTAYAグループのTSUTAYA BBがテレビ向けポータル「アクトビラ」で映像配信事業を展開すると発表した。 - 東芝、「REGZA」を「ダビング10」のアナログダビングに対応
東芝は、「ダビング10」番組のアナログダビングに対応するため、REGZAの無償バージョンアップを実施する。対象機種には、Z2000やZ1000などの旧機種も含まれている。 - 東芝、REGZA「Z3500」を「アクトビラ ビデオ・フル」対応へ
東芝は、“REGZA”「Z3500」シリーズを「アクトビラ ビデオ・フル」に対応させる無償バージョンアップを発表した。ハイビジョンレベルの動画配信サービスを全画面表示で楽しめる。 - “全部入り”の新型REGZA「Z3500シリーズ」登場
東芝が、液晶テレビ「REGZA」のハイエンドシリーズ「Z3500」5機種を発表した。全モデルに倍速駆動の10bitフルハイビジョンパネルを搭載したほか、「レグザリンク」や外付けUSBハードディスクへの録画を新たにサポート。“全部入り”状態だという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.