“REGZA”の新フラグシップ、「ZH500」の実力を探る(2):ワンセグ録画にサーバダビング(3/3 ページ)
前回は“REGZA”「ZH500」の持つレコーダーとしての基本機能について触れた。今回はワンセグ録画機能や、初搭載となったDTCP-IPベースのムーブなど、付加的な機能を検証する。
汎用DLNAクライアントで問題なく再生が可能
DTCP-IPサーバへダビングした番組がZH500で再生できるのはもちろん当然のこと。最終的には対応するDLNAクライアント全てでの再生が可能でないと、その存在意義が半減することになる。幸いDLNA+DTCP-IP対応のクライアントとしてバッファローから「LT-H90」シリーズが販売されているので、今回はこれを利用してみた。ZH500が参加しない組み合わせだが、重要なポイントでもあるのであえて検証してみよう。
結果はLT-H90LANを利用しても、ZH500で録画してHVL4-Gにムーブした番組を問題なく再生できた。現時点では巻き戻し、早送りができないという課題はあるが、これはLT-H90LAN側がDTCP-IPで暗号化の必要なコンテンツ再生時の現時点での制限事項としており、ZH500からのムーブに問題があるわけではなく、バッファローもアップデートで対応するとしている。
ZH500とDTCP-IPサーバだけでも相応の導入コストはかかるわけだが、今回使用したLT-H90LANは実売2万円前後で購入できるし、ソニーや東芝、ビクターなどはテレビへのDTCP-IP対応DLNAクライアント実装も積極的に進めており、ネットワーク越しに録画されたデジタル放送を視聴するクライアント側の普及は着々と進みつつある。
もちろん、DTCP-IPサーバはレコーダーへの実装が本命であると思うが、こちらはあくまでHDDに一時保存されている番組の再生の自由度を高めるための機能。対してZH500は、DTCP-IP対応サーバを半ば恒久的な番組の保存先としつつ再生の自由度も高めるために利用するのであり、レコーダーの持つDTCP-IPサーバ機能とはまた異なる位置付けになる。デジタル放送をセキュアかつ安全に保存しつつ汎用的に活用するという点で、ZH500のDTCP-IPサーバへのムーブという新しいスタイルの提示は大きな意味を持つ。
付加機能を超えたレコーダー機能
2回にわたって“REGZA”「ZH500」シリーズのレコーダー機能に触れた。1回目で触れた通り、レコーダーとしての基本機能は非常に充実しており、付加機能となるワンセグ録画とDTCP-IPサーバへのムーブ機能は単体レコーダーでも例を見ない機能といえる。ワンセグ録画に関してはソニーの「 」が録画番組を「PSP」や「ウォークマン」にムーブできる機能を備えているが、コピーワンス制約下の録画番組の持ち出しという点では、ZH500のほうがうまく対応している。
とはいえ、テレビゆえの限界も感じた。ダブルチューナーでありながら2番組録画を行えないのは、ハードウェアの制約というよりはテレビとしての利用を録画によって制限しないための選択なのだろうし、テレビだからこそ譲れなかった部分かもしれない。しかし、いざ使い始めてみるとやっぱり2番組同時録画がほしいな、と思ってしまうケースは多い。もちろん、それだけレコーダーとしての出来が良いからにほかならないのだが……。
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