中級機を越える魅力を備えたエントリー機、キヤノン「EOS Kiss X2」「EOS Kiss F」:特集 初めて買うデジタル一眼レフ(3)(2/2 ページ)
オリンパス編に続き、購入ガイドとして、エントリー機ながら1220万画素を誇るキヤノン「EOS Kiss X2」と、機能を絞ることで低価格を実現した「EOS Kiss F」を紹介する。
スペックを抑えて低価格を実現した「EOS Kiss F」
キヤノン「EOS Kiss F」は、ベストセラーEOS Kissシリーズの最新作で、同社ラインアップのローエンドに位置する製品。EOS Kiss X2からいくつかの機能を省き、撮像素子や液晶モニター、ファインダー、AFなどのスペックを抑えることで、いっそうの低価格を実現している。
ボディは、EOS Kiss X2よりも幅が2.7ミリ短く、重量が25グラム軽い。本体重量450グラムは、この特集で取り上げる9製品の中では、超薄型軽量のオリンパス「E-420」に次ぐ2番目の軽さ。外装はEOS Kiss X2と同じく樹脂製だが、表面の質感がやや異なり、EOS Kiss Fは少しざらつきがある、つや消しのブラックだ。
液晶はEOS Kiss X2よりも小さい2.5型23万画素で、ファインダーの倍率もやや低い。液晶の情報表示を自動消灯させるためのアイサンサーは省略。操作ボタンの基本配置は変わらないが、液晶の小型化にともなって、「MENU」や「DISP」など一部のボタンのサイズは大型化した。

レンズマウントはキヤノンEFマウントで、実撮影画角はレンズ表記の焦点距離の約1.6倍に相当(写真=左)、Kiss X2よりも液晶は小さいが、ボタンは大きい。ボタンの配置と数、操作性は同じだ(写真=右)AFフレームの数は、EOS Kiss X2の9点に対して、EOS Kiss Fは7点。連写速度は、EOS Kiss X2の秒間3.5コマに対して、EOS Kiss Fは秒間3コマとなる。秒間3コマという速度はエントリー機の標準だが、RAW記録やJPEGでも高感度ノイズリダクション機能をオンにした場合は、さらに連写スピードが低下する。
機能面では、「高輝度側・階調優先」機能とスポット測光、リモコン撮影が省かれている。明るさを自動補正する「オートライティングオプティマイザ」は継承。キットレンズによる手ブレ補正や、自動ゴミ除去、ライブビュー機能なども踏襲している。
撮像素子は、APS-Cフィルムサイズの有効1010万画素CMOSセンサーを採用。処理エンジンはEOS Kiss X2と同じく「DIGIC III」だが、RAWモードのビット数はやや低い。


モードダイヤルでは12モードを選択でき、ISOボタンではオートのほか、ISO100〜1600を1段ステップで選べる(写真=左)、記録メディアはSD/SDHCメモリーカードに対応する(写真=中)、Kiss X2と同じくカスタム機能からオートライティングオプティマイザを設定できる(写真=右)以上のようにEOS Kiss Fは、EOS Kiss X2の廉価モデルであり、スペックや機能面でEOS Kiss X2を上回る部分は特にない。ボディのサイズと重量も大きな違いとはいえないので、2台の選択は単純に価格差と機能差を判断して決めればいいだろう。EOS Kiss X2のほうが高機能で高画素とはいえ、連写以外のEOS Kiss Fの基本性能は良好で、コストパフォーマンスは高い。
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