値ごろ感か快適AFライブビューか、魅力それぞれなソニー「α200」「α350」:特集 初めて買うデジタル一眼レフ(4)(2/2 ページ)
デジタル一眼ビギナーへ向けてオリンパス編、キヤノン編に続いて紹介するのは、ソニー「α200」と「α350」の2台だ。
快適なAFライブビュー「α350」
ソニー「α350」は、同社のラインアップではエントリー機「α200」と中級機「α700」の中間に位置するモデル。ライブビューと可動液晶、撮像素子以外の主要スペックはα200とほとんど同じであり、製品のクラスとしてはエントリーユーザー向けだ。
ボディは、他社機と比べて特に小型軽量とはいえず、エントリー機としては標準的なサイズと重量だ。樹脂製の外装については、高級感や剛性感はあまりなく、かといって極端にチープな印象もない価格相応のレベル。α200とほぼ同じデザインだが、α350ではローアングルから構えることに配慮して、グリップ部の形状がやや異なる。
最大の特徴は、撮像素子とは別にライブビュー専用のセンサーを内蔵し、ライブビュー撮影時でも、通常のファインダー撮影と同等のスピーディなAFが使えること。例えば、子どもやペットなど動きがある被写体をライブビューで撮る用途では、数あるライブビュー対応機の中でも本機が最も快適といえる。
上に130度、下に40度まで角度を変えられる可動式の液晶モニターを備えることもポイントだ。松下電器産業「LUMIX DMC-L10」などとは違って左右方向には可動しないため、縦位置撮影では可動が役立たない弱点はあるものの、横位置でのローアングルやハイアングル撮影では大いに重宝する。カメラを腰の高さに構えることで、撮られる相手に威圧感を与えないメリットもある。
ボディ内手ブレ補正や、撮像素子のゴミ取り機能、アイスタートAF、画像の階調性を高める「Dレンジオプティマイザー」機能などはα200と同等のものを搭載する。操作性についても同じだ。ただし、α350はライブビュー機能を重視しているため、ファインダー倍率と連写スピードはα200に劣る。独自の機能としては、画像の中央部分をトリミングして撮影することで、1.4倍または2倍にズームアップしたような効果が得られる「スマートテレコンバーター」機能がある。
撮像素子は、APS-Cフィルムサイズではペンタックスの中級機「K20D」に次いで現在2番目に画素数が多い、有効1420万画素のCCDを搭載する。サービス判程度の印刷では、1000万画素クラスとの違いは分からないが、A4やA3以上に大きくプリントした際には、特に遠景などの込み入った被写体の細部再現性に差が生じる。この高解像力と、独自の快適ライブビューの2点が際立った製品といえる。
関連記事
- 特集 初めて買うデジタル一眼レフ(2):小型ボディの魅力を堪能できるオリンパス「E-420」「E-520」
デジタル一眼レフ初心者への購入ガイドとして、圧倒的な薄型軽量ボディが魅力のオリンパス「E-420」と、小型ボディに手ブレ補正機構を内蔵した「E-520」の2台を紹介。 - 特集 初めて買うデジタル一眼レフ(1):デジタル一眼レフ、購入のチェックポイント
今デジタル一眼レフを購入するなら、レンズキットが10万円程度で買えるエントリー機が狙い目。昨年末から今年上半期にかけて登場した各社のエントリー機は実力機ぞろい。購入時のチェックポイントを考えてみよう。 - レビュー:小型軽量ボディに手ブレ補正機構を内蔵――オリンパス「E-520」
オリンパス「E-520」を使ってみた。効果4段分のボディ内手ブレ補正やダストリダクション、コントラストAF対応のライブビュー機能などを備えた小型軽量のデジタル一眼だ。 - フォトレビュー:写真で見るEOS Kiss F
Kiss Xの後継となるエントリークラスのデジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss F」。Kiss X2、Kiss Xとともに写真で紹介する。 - Kiss X2のうま味が詰まった初心者向けデジ一眼――キヤノン「EOS Kiss F」
キヤノンのデジタル一眼レフカメラで新たなエントリーモデルとなる「EOS Kiss F」は、シリーズ最軽量ボディにKiss X2譲りの高機能を凝縮している。 - より快適なライブビュー、手ブレ補正内蔵「E-520」
オリンパスがデジタル一眼レフカメラ「E-520」を発表。ボディ内手ブレ補正機構を備えるほか、「ハイスピードイメージャAF」でライブビュー撮影の快適さがさらに向上した。 - オリンパス「E-420」とパンケーキレンズの薄さを楽しむ
オリンパスから軽快さを感じさせるデジタル一眼レフカメラ「E-420」が登場した。同時発表のパンケーキ型レンズ「ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8」を組み合わせて使ってみた。 - レビュー:さらに高機能に、さらに使いやすく――キヤノン「EOS Kiss X2」
「EOS Kiss Digital X」の上位機種として登場したキヤノン「EOS Kiss X2」。撮像素子の高画素化やライブビューの搭載といった高機能化も注目だが、使いやすさの向上も大きなポイントだ。 - レビュー:快適ライブビューで味わうツァイスの描写――ソニー「α350」
ソニー「α350」は、独自のクイックAFライブビュー機能と、有効1420万画素の高精細CCDを備えたデジタル一眼だ。この高画質を引き立たせる標準ズームはどれか。3種類の純正レンズをテストしてみた。 - ISO 3200の高感度撮影可能なα100後継、「α200」
ソニーがデジタル一眼レフカメラ「α100」の後継機種、「α200」を発表。ISO3200の高感度撮影が可能となったほか、AFスピードも高速化された。 - ニコン、ダストリダクション機能強化のエントリーデジ一眼「D60」
ニコンがD40Xの後継となるエントリー向けデジタル一眼レフカメラ「D60」を発売。「D80」と同等の10.2メガCCDに新開発のゴミ軽減機能を搭載した。 - “K100D後継ではなく上位”――K10Dの技術受け継ぐデジ一眼「K200D」
ペンタックスが、デジタル一眼レフカメラ「K200D」を発表。旧上位機種K10Dの技術を受け継ぎ、エントリー機K100D Superより上位クラスのモデルになるという。 - キヤノン、ライブビュー搭載の新“キスデジ”「EOS Kiss X2」
ペンタックスが、デジタル一眼レフカメラ「K200D」を発表。旧上位機種K10Dの技術を受け継ぎ、エントリー機K100D Superより上位クラスのモデルになるという。 - フリーアングル液晶で撮影スタイルの常識を破る「DMC-L10」
松下電器産業がレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ「DMC-L10」を発表。デジ一眼としては世界初のフリーアングル液晶の搭載で撮影自由度を飛躍的に高めた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.