独自機能が魅力を高める1台――ニコン「D60」、ペンタックス「K200D」、パナソニック「LUMIX DMC-L10」:特集 初めて買うデジタル一眼レフ(5)(3/3 ページ)
オリンパス編、キヤノン編、ソニー編に続き、今回は独自のゴミ対策を施したニコン「D60」、防じん防滴ボディのペンタックス「K200D」、フリーアングル液晶のパナソニック「LUMIX DMC-L10」の3台を取りあげる。
フリーアングル液晶のパナソニック「LUMIX DMC-L10」
松下電器産業「LUMIX DMC-L10」は、一昨年に発売した「DMC-L1」に続く同社では2台目となるデジタル一眼レフ。本体重量480グラムの軽さで、サイズも小さめ。ただし、レンズキットに付属する標準ズームレンズはやや大柄で、レンズを含めた全体としては標準的なサイズと重量になる。
最大の特徴は、左右に180度、上下に前後に270度まで回転するフリーアングル液晶を備えること。そして視野率100%のライブビュー表示ができ、コントラスト検出AFによってスムーズにピントが合う。ソニー「α350」の位相差検出AFに比較すると、AFスピードではやや劣り、シャッターボタンを押した瞬間には内部のミラーがぱたぱたと動くのは少々気になるとはいえ、シャッターボタンの半押しでAFが作動するなど、ライブビュー全体の操作感覚はほぼ互角で、縦位置のフリーアングル撮影ができる点では上回る。
ライブビュー時のAFフレームは11点から選択でき、顔検出AFも利用できる。画面9分割のガイドライン表示や、8倍の拡大表示、ヒストグラム表示、デジタルズームにも対応する。惜しいのは液晶の視野角が狭いことと、表示の発色があまりよくないこと。ただ、それでもα350と並んで実用性の高いライブビュー対応機であることは確かだ。
一方、ファインダーは視野率95%倍率0.92倍のミラー式。倍率は高いが撮像素子が小さいため、ファインダー表示は小さめ。標準付属するマグニファイヤーアイカップを接眼部にセットして、ファインダー倍率を1.2倍に拡大できるのはありがたい。
手ブレ補正は、レンズキットに付属する標準ズームなど、レンズ側の補正機構で対応。ゴミ対策は、オリンパスから受け継いだ超音波振動によるノンダストシステムを搭載する。
操作面では、今回の特集で紹介した9製品の中では唯一、グリップ部の前後に2つのダイヤルを備える点がポイントだ。マニュアル露出モード時に、片方で絞り値を、もう片方でシャッター速度をそれぞれダイレクトに調整したり、絞り優先AEやシャッター優先AEモード時に露出補正をスムーズに設定できる。ほとんどのボタンやダイヤルの位置が右手側に集中に、各種機能を片手で素早くセットできる点も非常に使いやすい。
撮像素子は、フォーサーズサイズの有効1010万画素Live MOSセンサーを搭載する。撮像素子や処理エンジンの性能に加えて、付属するキットレンズの切れ味のよさがはっきりと表れ、画面の四隅までシャープネスの高い画像を得られる。
ここまで、オリンパス「E-420」と「E-520」、キヤノン「EOS Kiss X2」と「EOS Kiss F」、ソニー「α200」と「α350」、ニコン「D60」、ペンタックス「K200D」、松下電器産業「LUMIX DMC-L10」と9台を紹介してきた。最終回となる次回は気になる画質について比較する。
関連記事
- 特集 初めて買うデジタル一眼レフ(4):値ごろ感か快適AFライブビューか、魅力それぞれなソニー「α200」「α350」
デジタル一眼ビギナーへ向けてオリンパス編、キヤノン編に続いて紹介するのは、ソニー「α200」と「α350」の2台だ。 - 特集 初めて買うデジタル一眼レフ(3):中級機を越える魅力を備えたエントリー機、キヤノン「EOS Kiss X2」「EOS Kiss F」
オリンパス編に続き、購入ガイドとして、エントリー機ながら1220万画素を誇るキヤノン「EOS Kiss X2」と、機能を絞ることで低価格を実現した「EOS Kiss F」を紹介する。 - 特集 初めて買うデジタル一眼レフ(2):小型ボディの魅力を堪能できるオリンパス「E-420」「E-520」
デジタル一眼レフ初心者への購入ガイドとして、圧倒的な薄型軽量ボディが魅力のオリンパス「E-420」と、小型ボディに手ブレ補正機構を内蔵した「E-520」の2台を紹介。 - 特集 初めて買うデジタル一眼レフ(1):デジタル一眼レフ、購入のチェックポイント
今デジタル一眼レフを購入するなら、レンズキットが10万円程度で買えるエントリー機が狙い目。昨年末から今年上半期にかけて登場した各社のエントリー機は実力機ぞろい。購入時のチェックポイントを考えてみよう。 - レビュー:小型軽量ボディに手ブレ補正機構を内蔵――オリンパス「E-520」
オリンパス「E-520」を使ってみた。効果4段分のボディ内手ブレ補正やダストリダクション、コントラストAF対応のライブビュー機能などを備えた小型軽量のデジタル一眼だ。 - フォトレビュー:写真で見るEOS Kiss F
Kiss Xの後継となるエントリークラスのデジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss F」。Kiss X2、Kiss Xとともに写真で紹介する。 - Kiss X2のうま味が詰まった初心者向けデジ一眼――キヤノン「EOS Kiss F」
キヤノンのデジタル一眼レフカメラで新たなエントリーモデルとなる「EOS Kiss F」は、シリーズ最軽量ボディにKiss X2譲りの高機能を凝縮している。 - より快適なライブビュー、手ブレ補正内蔵「E-520」
オリンパスがデジタル一眼レフカメラ「E-520」を発表。ボディ内手ブレ補正機構を備えるほか、「ハイスピードイメージャAF」でライブビュー撮影の快適さがさらに向上した。 - オリンパス「E-420」とパンケーキレンズの薄さを楽しむ
オリンパスから軽快さを感じさせるデジタル一眼レフカメラ「E-420」が登場した。同時発表のパンケーキ型レンズ「ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8」を組み合わせて使ってみた。 - レビュー:さらに高機能に、さらに使いやすく――キヤノン「EOS Kiss X2」
「EOS Kiss Digital X」の上位機種として登場したキヤノン「EOS Kiss X2」。撮像素子の高画素化やライブビューの搭載といった高機能化も注目だが、使いやすさの向上も大きなポイントだ。 - レビュー:快適ライブビューで味わうツァイスの描写――ソニー「α350」
ソニー「α350」は、独自のクイックAFライブビュー機能と、有効1420万画素の高精細CCDを備えたデジタル一眼だ。この高画質を引き立たせる標準ズームはどれか。3種類の純正レンズをテストしてみた。 - ISO 3200の高感度撮影可能なα100後継、「α200」
ソニーがデジタル一眼レフカメラ「α100」の後継機種、「α200」を発表。ISO3200の高感度撮影が可能となったほか、AFスピードも高速化された。 - ニコン、ダストリダクション機能強化のエントリーデジ一眼「D60」
ニコンがD40Xの後継となるエントリー向けデジタル一眼レフカメラ「D60」を発売。「D80」と同等の10.2メガCCDに新開発のゴミ軽減機能を搭載した。 - “K100D後継ではなく上位”――K10Dの技術受け継ぐデジ一眼「K200D」
ペンタックスが、デジタル一眼レフカメラ「K200D」を発表。旧上位機種K10Dの技術を受け継ぎ、エントリー機K100D Superより上位クラスのモデルになるという。 - キヤノン、ライブビュー搭載の新“キスデジ”「EOS Kiss X2」
ペンタックスが、デジタル一眼レフカメラ「K200D」を発表。旧上位機種K10Dの技術を受け継ぎ、エントリー機K100D Superより上位クラスのモデルになるという。 - フリーアングル液晶で撮影スタイルの常識を破る「DMC-L10」
松下電器産業がレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ「DMC-L10」を発表。デジ一眼としては世界初のフリーアングル液晶の搭載で撮影自由度を飛躍的に高めた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.